【DECENCIA 山口裕絵社長】クロスセル好調で営利は2.4倍に(2024年9月12日号)

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 ポーラオルビスホールディングスグループで、敏感肌向け化粧品の通販を展開するDECENCIA(ディセンシア、本社東京都、山口裕絵社長)では、24年1―6月期(中間期)の営業利益が、前期比2.4倍の3億300万円となった。昨年から今年にかけて発売した、オイルや日焼け止めが、クロスセル商品として好調に推移しているという。9月5日には、創業以来展開してきたスキンケアシリーズを、中身を変えることなく刷新した。山口社長に、「つつむ」のリニューアルに込めた想いと、業績好調の背景について聞いた。

■「新しい」が価値でなく不安に

 ─スキンケアシリーズ「つつむ」のパッケージを刷新しましたが、狙いは。
 今回、パッケージはリニューアルしましたが、中身を変えないことにこだわりました。
 17年前に当社が初めて発売した製品が「つつむ」でした。
 「つつむ」のリニューアルを計画するにあたって、私自身衝撃的な出来事がありました。
 それは、リニューアルの計画を知ったお客さまが、「『つつむ』は変わってしまうんですか」と、とても残念がっていたことです。
 私はこれまで、ポーラの商品企画部長などを務め、数々の化粧品のリニューアルを手掛けてきました。化粧品のリニューアルを行う上で、中身の成分や処方のバージョンアップを行うのは、当たり前です。メーカーとして、リニューアルして、お客さまに新しい満足を提供することが使命だと考えてきました。
 「いかに新しいものを出すか」を常に考えてきたのです。「新しいこと」が、絶対的な価値だったのです。
 当社のお客さまは、敏感肌のお客さまにとって使いやすい化粧品を提供してきました。敏感肌のお客さまは、成分が変わって肌に合わなくなることをとても心配しているのです。
 DECENCIAの化粧品を選んでくれるお客さまにとっては、新しいことが不安材料になるということが、私にとって衝撃でした。


■女性の肌のゆらぎに対応

 ─「つつむ」シリーズのお客さまについて教えて下さい。
 「つつむ」シリーズのお客さまは、累計5万4000人います。17~24年の間で、「『つつむ』が肌に合わない」という問い合わせが寄せられたのは、わずか29件でした。
 「つつむ」はそれだけ、敏感肌のお客さまにあっている商品なのです。
 「敏感肌」とは、特定の肌状態の人を指す言葉ではありません。普通肌、脂性肌、乾燥肌、混合肌の、どの肌状態の人でも、敏感肌になりえるのです。

(続きは、「日本流通産業新聞 9月12日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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