消費者庁は、電気・ガスを訪問販売する日本瓦斯(ニチガス)が違法な勧誘を行っていたとして、特定商取引法に基づき3カ月間の業務停止を命じた。また再発防止に向けた措置を講じることを指示した。
消費者庁によると、日本瓦斯は特商法で禁止する三つの項目で違反する取引をしていたという。例えば、日本瓦斯の勧誘者が消費者宅に訪問した際、勧誘のために訪問したことを伝えず勧誘していた。また、消費者が契約しないと意思表示したにも関わらず、勧誘を続けたほか、うそを言って勧誘していた。
消費者からの相談件数は、20~22年度の3年間で867件だった。年代別では、70代が219件、60代が136件と続き、年齢層が高い消費者からの相談が多かった。
日本瓦斯は、ホームページで処分について「再発防止に努める」とした一方、「認識の食い違いがある」として、法的措置を含め、自社の認識を主張していくとしている。
日本瓦斯は本紙の取材で、消費者庁と認識の食い違いがある点について「法的措置に向けた準備を進めているため、詳細は公表しかねる」(総務部担当者)と明言を避けた。
「業務委託先の勧誘行為に対して、消費者庁は処分せずに、日本瓦斯だけが処分を受けたことを、どう捉えているか」については、「今回処分を受けた事案で、業務委託先の勧誘行為があったのは事実だ。現時点では詳細は差し控えるが、その認識はたしかにある」(同)と話している。
消費者庁/ニチガスの違法な取引を認定/3カ月間の業務停止命令(2023年6月1日号)
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