香水、化粧品、雑貨などを取り扱っている老舗メーカー兼商社のフィッツコーポレーション(本社東京都、富樫康博社長)がECサイトの運営を強化している。直近では芸能人を起用した香水を開発・販売して新規顧客を獲得。さらにCRMに注力し、既存顧客の定着を図ろうとしている。通信販売チームの西本真佑子氏は、「香水をECサイトで購入してもらうのは簡単なことではない」と吐露する。西本氏と菊池魁氏に現在の新規顧客の獲得方法と既存顧客を定着させるための方法、今後の展望などについて聞いた。
─貴社は香水をECサイトで販売しているが、会社としてはメーカー、商社としての機能もあると思う。会社の特徴について伺いたい。
西本 当社は”豊かさが香るものづくり”という企業理念のもと、「香り」を中心とした企画開発を通じて、美しく心地よい、豊かなライフスタイルの創造を目指している。
メーカーとしては、”マーケットイン”ではなく、”プロダクトアウト”の考え方で商品をゼロから生み出している。自社で商品を企画し、日本だけでなく、世界中のユーザーに届ける。
商社としては、世界中から新しいものを発掘し、日本のマーケットに提供する。海外の展示会や小売店、ネットなどのさまざまなチャネルを駆使し、世界各国から優れた商品を発掘して日本のユーザーへ提供している。
─ECサイトでの販売商品は。
西本 「フィッツオンラインストア」というサイト名で主にフレグランス、ホームフレグランス、メイク、スキンケア、ボディーケア、ヘアケア商品などを販売している。
他社とは異なり、会社の強みを生かし、さまざまなアーティストやアイドルとコラボレーションした商品を販売しており、このことが当社の強みだと思っている。
具体例を挙げると、原宿で高い人気を誇る美容室「OCEAN TOKYO」がプロデュースしたヘアスタイリングを販売している。この商品の中にはEXILEが所属しているLDH JAPANのBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE(バリスティック・ボーイズ・フロム・エグザイル・トライブ)がアンバサダーを務めているものもある。
EXILEのTAKAHIROさんがプロデュースしたフレグランスブランド「bgm(ビージーエム)」なども販売している。
─新規顧客も芸能人がプロデュースしたブランドがきっかけで流入してくる人も多いのか。
菊池 多くいらっしゃると思っている。TAKAHIROさんプロデュースの「bgm」、アリアナ・グランデさんプロデュースの「アリアナ・グランデ クラウド バイ アリアナ・グランデ オードパルファム」などを販売しているが、ファンからの購入につながっている。
当社のECサイトで香水を購入したことがない人が、芸能人を起用した香水をきっかけに、商品を購入してくれて、「フィッツコーポレーション」を知るきっかけにもつながっている。実際に、「今回初めて香水デビューしました」という声も寄せられている。
商品の認知拡大方法として、「bgm」の場合、TAKAHIROさん自身がSNSで情報を発信してくれたり、SNS広告を配信したりして、多くの人に知ってもらうことに努めた。
─一度商品を購入した人に対してのリピート施策はどうしているのか。
(続きは、「日本ネット経済新聞」11月21日号で)
【フィッツコーポレーション 通信販売チーム 西本真佑子氏 菊池魁氏】 <老舗香水メーカーがECを強化> /芸能人起用の香水で新規獲得を推進(2024年11月21日号)
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