「創業から約20年、自力でここまできた。10年先を見据えてBtoB通販参入への準備やさらなる業容拡大を進める」と語る住設EC大手のライフワン(本社東京都)の坂本貴志代表取締役。創業から積み上げてきた実績は利用件数300万件、工事実績100万件以上で、住設EC領域で存在感を放つ。24年1月期の売上高は前期比17%増の148億円、楽天市場やヤフーショッピングなどのECモールを主戦場に成長を続ける。今後は、ECで築き上げた基盤をBtoBに生かす計画だ。
■20年前からDX
─創業から約20年。これまでの歩みについて聞きたい。
毎年、毎日状況が変わり、紆余曲折する中で、創業から現在まで愚直に取り組んでいる。本音を言えば、毎年大変だ。
ただ、ビジネスモデルは創業時から現在まで変わっておらず、今後も変わることはないだろう。住宅設備機器と施工をセットしたEC展開のビジネスはDX化しないと利益が出ないモデルだ。
創業時は、やってもやっても利益が出なかった。DXをしながら、販売のボリュームや効率性が上がり始めて、少しずつ利益が出るようになる。全業務を同時に少しずつ拡大させていくことを約20年ずっと続けてきた。
現在は楽天市場で「ジュプロ楽天市場」など3サイト、ヤフーショッピングでも「取替ドットコムヤフーショッピング」など3サイト、価格.comで「生活堂」「住の森」の2サイト、主要ECモールを中心に自社ECも展開して多チャンネル化で展開している。その他にも、設置工事事例集やリフォーム事例などオウンドメディアも含めると13サイトを運営して事業を進めている。
商材は、トイレや給水設備、バス、洗面など水回りやエアコンキッチン、IH、給湯器、エクステリア、家電など。販売アイテムも拡張している。
当社は私が100%オーナーで、誰からも支援を受けずに自力でここまできた。資金を見ながら投資をし、赤字は出せない。愚直に規模の拡張を続けていくためには徹底的なDX戦略しかなかった。
20年という時間を経て、規模の拡張のもと利益が出るようになった。今後は、徹底したDX化に対して、人材を投入し、積み上げてきたシステムを使いながら、新しいビジネスを構築していく。
■10%減収は覚悟
─製品の値上げや物流費の高騰などに対し、事業動向はどうか。
年初は需要や購買力が落ちる。そして新築着工の減少から、リフォームも弱くなる。そんな観点で不景気になると予測していた。
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月12日号で)
<プロフィール>
坂本貴志(さかもと・たかし)氏
関西学院大学卒業後、大手不動産会社に入社し、15年勤務。05年2月にライフワンを設立した。1966年生まれ。兵庫県出身。
【転換期に突入か!? <住設・建材ECの最新動向>】 <次の10年見据えて業容拡大> ライフワン 坂本貴志代表取締役/BtoB通販にも本格参入へ(2024年9月12日号)
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