EC業界の中で、メルカリが運営するBtoCコマースプラットフォーム「メルカリShops」に注目が集まっている。背景には「楽天市場」「ヤフーショッピング」などの国内ECモールのGMV(流通額)の成長鈍化もある。24年6月期の「メルカリShops」のGMVは前期比2.7倍に拡大した。さらにメルカリは事業加速に向けて、今年9月、楽天グループ(楽天)で常務執行役員を務めていた高橋理人氏を「メルカリShops」の戦略顧問として招へいした。同11月には、「メルカリShops」出店者の売り上げ拡大を支援するため、検索連動広告の提供も試験的に開始した。大手ECモールである「Amazon」「楽天市場」「ヤフーショッピング」にどこまで迫ることができるのか。「メルカリShops」の戦略に迫る。
LINEヤフーは今年11月、24年4―9月期(中間期)決算を発表した。中間期の国内ショッピング取扱高は、前期比4.5%増の8113億円だった。24年7―9月期(純第2四半期)における「ヤフーショッピング」の取扱高も同2.0%増だった。
楽天グループの24年1―9月期(第3四半期)における、国内EC流通総額は、前年同期比5.5%減の4兆1964億円だった。
「楽天市場」のEC流通総額は前年と比較して減収となり、「ヤフーショッピング」においても、復調基調にあると言われていても、GMVはわずか2.0%ほどしか成長していない。
新たな”売り場”として、成長を続ける「メルカリShops」に注目しているEC事業者が増えている。
■中古・食品が売れ筋
メルカリは21年、「メルカリShops」を開設した。開設当初はコロナ禍で販路減少に陥った生産者を支援するため、農家直送の野菜や果物、地域野菜などを販売していた。
現在はECモールの機能も強くなり、次々に大手EC事業者が参入している。
「その中でもリユース品と食品・飲料品の成長が著しい。リユース品に関しては、『ブックオフ』や『大黒屋』が出店しており、その店舗の商品を購入できるのかと思ってくれて、購入しているお客さまが多いと思っている。食品・飲料品に関しては、CtoCでは取り扱いが難しく、そこでBtoCの『メルカリShops』で販売する商品が売れている」(藤樹賢司Mercari Merchant Director)と話す。
(続きは、「日本ネット経済新聞」11月21日号で)
【飛躍する「メルカリShops」】モール3強に迫れるか/GMVは前期比2.7倍に成長(2024年11月21日号)
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