【人】 〈カラーズ 佐久間敏雅代表取締役社長〉/「売る」より悩み解決へ

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 カラーズ(本社兵庫県、佐久間敏雅社長)は、「犬と暮らす喜び、健康、笑顔」をテーマにさまざまなビジネスを展開している。犬の「心と身体の健康」のための自然食フードや健康食品を中心とした通販事業をはじめ、実店舗運営、人材の育成事業、動物病院の運営、ペットシッター事業など手掛ける事業は多岐にわたる。
 佐久間社長は東京大学法学部を卒業後、P&Gに入社し、マーケティング本部に勤務した。生理用品「ウィスパー」、紙おむつ「パンパース」などのブランドマネージャーを担当。アジア地区での新商品の開発や市場投入、ブランド・エクイティの確立のほか、新規事業の立ち上げにも携わった。
 学生時代から、自分で「ビジネスをやりたい」という思いを抱いていた佐久間社長。そんな中、P&G入社5年が経ったころに阪神淡路大震災で被災し、心の癒やしを求めるように人生で初めて犬を飼ったという。しかし、飼い始めて早々に愛犬が病気に。病院に連れて行ったところ、粗悪な原材料で作られたドッグフードに原因があったことが判明した。この経験がペット事業を立ち上げるきっかけとなった。
 「世界一のソリューションプロバイダー」を目指し、ペットも従業員も幸せになれるような労働環境を作っている。その一つが行動指針に基づいたブランド経営だ。
 社員同士が価値観を共有し、正しい情報を発信することで、信頼関係を築いている。「売る」ことよりも、「悩みを解決する」ことが大きな目的となっている。
 ECサイト「GREEN DOG」では、ペットのことを「パートナー」と呼んでいる。
 「昨年には、東京・自由が丘に病中・病後の犬に特化した医療センターをオープンした。今後は、犬の一生を全面的にサポートできるような仕組みを築いていく」(同)と話した。


〈プロフィール〉
さくま・としまさ
 1992年、東京大学法学部卒業。同年、P&Gマーケティング本部入社。生理用品ウィスパー、紙おむつパンパースなどのメガブランドのブランド・マネージャーを務め、また、アジア地区での新製品の開発・投入、ブランド・エクイティの確立など、新規事業の立ち上げなどにも深く関わる。
 2000年2月、同社を退社。同年7月に株式会社カラーズを設立、代表取締役に就任。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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