ネット利用の拡大、冷凍技術の発達などにより、おせちの通販市場は拡大し続けている。しかし、宅配クライシスの影響で販売環境は一変した。年末に配送が集中するおせちは総量規制のターゲットとなり、冷蔵・冷凍便の値上げも販売事業者に大打撃となった。販売環境は厳しさを増しているが、おせちが通販のキラー商材に成長していることから、参入企業は増え続けている。大手通販会社もおせちに本腰を入れており、ベルーナは「おせち通販で日本一を目指す」と宣言。競争が激化する中、おせちECで先行する「博多久松」は、商品企画から食材調達、運営体制まですべて見直し、今期も最高益のペースで推移している。おせちの通販市場は、”経営力”で勝負が分かれるレッドオーシャン(過当競争の市場)になりつつある。
楽天は10月16日、おせちのトレンドを発表した。「楽天市場」内のおせちの売り上げは年々拡大しており、12年と比べ17年は売上高が1・4倍になっている。
来年用のおせちの販売も順調だといい、「楽天市場」には10月初旬の時点で約8000点ものおせち関連商品が並んでいる。
楽天は、「おせちの購入方法が多様化している。重箱入りおせち料理を買う方もいれば、購入する分と作る分を組み合わせる方も多い。今シーズンはSNS映えを意識した、シースルーの重箱やワンプレートに盛り付けるおせちがはやりそうだ」(マーケットプレイス事業ECコンサルティング部フード&ドリンク事業課・小野由衣シニアマネージャー)と分析する。
■ベルーナは価格攻勢
おせち市場の拡大を受け、大手通販会社も次々と参入している。ベルーナは大手通販会社の中でもいち早くおせちに注力し、18年3月期には14億8000万円を売り上げている。
(続きは、「日本ネット経済新聞」10月25日号で)
〈おせち通販〉 ”経営力”が勝負の鍵/ベルーナが本腰、博多久松は最高益
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