【コールセンター】 〈インタビュー〉ダーウィンズ 後藤豪社長/台湾通販支援が好調

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 通販専門のコンタクトセンターを運営するダーウィンズ(本社東京都、(電)03—6862—7310)の18年3月期の売上高は前期比5%増の18億円となった。18年2月には台湾で、通販を行う国内企業のコンタクトセンター業務の支援を開始。19年8月には新たに、チャットボットサービスの提供も開始した。19年3月期の売上高としては、21億円を目指しているという。同社の後藤豪社長に、コンタクトセンター事業について話を聞いた。

■9社の台湾通販を支援
 ─現在注力している事業は。
 現在は、有人のチャット対応に力を入れている。40〜60代の中高年層にもスマホユーザーは多い。電話だけでなくチャット対応にも需要がある。
 台湾でのコンタクトセンター事業も順調に拡大している。日本国内の通販企業9社とすでに契約を交わしており、台湾の拠点でコンタクトセンターサービスを提供している。現地スタッフはほとんどが20〜30代。明るいスタッフが多く、顧客とのコミュニケーションがうまくとれていることが、台湾での好調の要因の一つとなっている。
 台湾の拠点では、問い合わせ対応を中心にインバウンドの業務が4割、コンタクトセンターから消費者にアプローチするアウトバウンド業務が6割を占めている。台湾では日本に比べて、アウトバウンドのコンタクト率や成約率が高いという印象を持っている。
 台湾の消費者は、日本の通販顧客よりも商品に対する感度が高いようだ。例えば台湾では、現地の化粧品の2〜3倍の値段の日本の化粧品がよく売れる。「日本製品は良いものだ」と考える感度の高い顧客は、価格が高くても購入するのだ。顧客の年齢層も幅広い。
 台湾では、20年3月期までに売上高2億2000万円を達成することを目標としている。コンタクトセンターの席数も今後、100席程度まで拡大させたい。

■IBMのAIと連携予定
 ─国内のサービスについて聞きたい。
 国内では8月中旬に、顧客の質問に自動応対するチャットボットサービスをリリースした。顧客とどう応対するかのシナリオの蓄積はまだ十分ではないが、年内には導入企業で、サービス運用を開始できる見通しだ。
 チャットボットサービスの狙いは、サイトを訪問した新規顧客の成約率を上げることにある。今後は、IBMが開発した人工知能「ワトソン」と連携する計画だ。ワトソンとの連携により、AIにデータを蓄積させ、チャットボットがより精度の高い回答をすることが可能になる。通常は、業務効率化を目的にチャットボットを導入する企業が多いが、当社では、チャットボットによる売り上げの向上にフォーカスを当てていく。
 ─コンタクトセンタースタッフの職場環境について聞きたい。
 当社では17年から、徳島の拠点で、週に1回ヨガのインストラクターを招いて、「朝ヨガ」を実施している。
 徳島の拠点には、シングルマザーが多く働いている。仕事と子育てで忙しく、自分ではヨガに通えないスタッフも多いので、利用者が多い。
 当社の最大の拠点がある札幌では、年に一度ホテルを貸し切って、オペレーターの慰労会を開催している。地域のスタッフの要望や特性に合わせて、モチベーションを高める取り組みを行っている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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