【コールセンター】 〈インタビュー〉日本コールセンター協会 下村芳弘会長/業界発展のために知を共有

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 一般社団法人日本コールセンター協会(事務局東京都、下村芳弘会長)は、コールセンター業界の発展に向け、業界のさまざまな情報を集約して会員各社と「知」の共有を図っている。下村会長に業界のキーワードや課題となっている人工知能(AI)、人材不足などについて聞いた。

■AIと人が融合
 ─会長に就任して1年。現在の心境は。
 歴史ある日本コールセンター協会の会長を拝命させていただき、1年ちょっとが経過したが、業界を支援してくれる皆さまのおかげで何とかやってこられたという気持ちだ。去年は社団法人として20周年という節目の年で、約6カ月の間、入会費が無料になる入会キャンペーンを実施した成果もあり、現在会員数は216社(8月時点)にまで増えた。
 最近はICT(情報通信技術)の分野が急速に進展している。第四次産業革命と呼ばれる動きを、コールセンター・コンタクトセンターの中で強く実感している。ICTの進化により、仕事がなくなるといわれることも多いが、新たな仕事や価値観を生む側面もある。AIと人が融合したサービスが進化することで、CX(カスタマーエクスペリエンス)が実現する。コールセンターはその実現に大きく貢献する力を持っているし、そういった背景から、業界をフォローする風が吹いていると感じている。今後、事業としてもフィールドが広がっていくだろう。
 一方、人材不足の問題は年々深刻さが増している。市場が拡大している「ワクワク感」と、人手不足の「危機感」で複雑な気持ちだ。

■人手不足に危機感
 ─人手不足を解消するために、どのようなことが考えられるか。
 今年8月の有効求人倍率は1・63倍で、これまで最高だった1974年1月の1.64倍に次ぐ高水準だった。しかしながら、コールセンター業界における人材不足の問題は年々悪化している。
 コールセンター協会で毎月発行している会報「CCAJニュース」で行っているアンケートによると、同誌で取り上げてほしいテーマとして、採用難と人手不足について取り上げてほしいという声が多数ある。セミナー・勉強会などで積極的にサポートしてほしいという要望もある。皆一様に人材確保の危機感を募らせていることが分かる。
 改正労働契約法が施行され、18年から派遣社員は労働契約が5年間を超えると無期雇用で働くことができる環境となった。コールセンター各社も積極的に正社員化に向けて取り組みを始めているところもある。
 育児・介護など個人に合わせた制度面でのサポートをはじめとする福利厚生の充実や、職住近接の観点からのサテライトオフィスの開設なども各社が行っている。単純に給与を上げることではなく、働き方にフォーカスされるようになってきた。コールセンター協会として、個社の取り組みを会員各社と共有し、業界全体のスキルアップ・モチベーションアップにつなげていくために情報発信を続けていく。

■業界超えた連携

(続きは、「日本流通産業新聞」10月25日号で)

〈プロフィール〉
 下村芳弘(しもむら・よしひろ)氏 77年中央大学経済学部卒。87年、もしもしホットライン(現・りらいあコミュニケーションズ)入社、取締役、常務取締役などを歴任し、10年4月から専務取締役。17年6月、日本コールセンター協会の会長に就任。54年生まれ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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