【コールセンター】 〈インタビュー〉TMJ 丸山英毅社長/セコム傘下で人材支援事業などを拡充

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 ベネッセコーポレーションの子会社としてコールセンターを運営していたTMJ(本社東京都)は17年10月、株式の譲渡により、警備サービス大手のセコムの子会社となった。セコムの子会社となったことにより、コールセンター業務にとどまらず、人材支援サービスやコンサルティング事業など幅広い業務分野について強化を図っている。同社の丸山英毅社長に、18年3月期業績について振り返ってもらうとともに、現在の事業内容についても聞いた。

■18年は新規獲得進む
 ─18年3月期の業績は。
 18年3月期の売上高は前期比1.9%減の351億1000万円だった。大手クライアントがコスト抑制を進めたことが当社の売り上げの減少につながった。ただ、昨年から、人材紹介やメーカー、ECなどのクライアントの新規獲得が進んでいる。19年3月期は売り上げを拡大できるとみている。
 人手不足が叫ばれる昨今、人材サービス分野のカスタマー対応の需要は高い。自社の人員では賄えない部分を外注したいクライアントが多いようだ。新規の人材サービスカテゴリーのクライアント数は、18年3月時点で前年比60%増となっている
 求人広告の出稿や採用の面談の設定といった業務も、当社がクライアントに代わって行っている。
 EC企業のコンサルティング業務も行っている。リピーターの定着を目指すクライアントを支援するため、消費者のニーズにマッチした商品のPR方法を提案したり、EC企業とは異なる目線で事業の見直しを提案したりしている。
 もともと当社の親会社だったベネッセコーポレーションは、教材などの通信販売を主な業務としている。子会社だった当社は、ベネッセの通販事業運営ノウハウを引き継いでおり、現在もそのノウハウを活用して事業運営を行っている。

 ─セコムの子会社に変わり、変化はあったか。
 セコムの顧客企業に対して、店舗のカスタマー対応の受注や、アルバイトの補充採用といった業務の一部を、当社が代行するサービスの影響を開始した。福岡には、セコムのクライアントのカスタマー対応を専門に行うための専用のコンタクトセンターの拠点も増設した。
 セコムは、日本最大級のデータセンターを持っている。一方、当社は読み取り速度が非常に早いスキャナーを所有している。社内資料のペーパーレス化を進める企業の電子化の業務も、セコムと共同で行っていく計画がある。ネットワークセキュリティーに関する業務も、当社の技術とセコムの技術を活用して行っていく。

■顧客満足高める技術活用
 ─カスタマーサポート分野では、AIやデータ活用などさまざまな技術革新が進んでいるが、TMJではどのように活用していくのか。
 当社では、最新の技術を使ってエンドユーザーにどうアプローチしていくかが重要な問題だと考えている。AIの技術は進歩しているが、人の手を必要とする業務もまだまだ多い。当社では、電話もAIも、マーケティング手段のひとつとして考えている。技術をどのようにマーケティングに活用できるのか。どのように顧客満足度を高めることができるのかを考え、最適化を図っていくことが当社の役目だと考えている。
 従業員の満足度の高さが、業務のパフォーマンスを左右するとも考えている。最新の技術を使って、オペレーターの育成や採用も進めたいと考えている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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