【コールセンター】 〈インタビュー〉NTTマーケティングアクト 取締役カスタマーソリューション事業推進部長 山本英治氏/クライアントの”次の展開”サポートできる企業に

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 NTT西日本グループでコンタクトセンター事業を行うNTTマーケティングアクト(本社大阪府、横山桂子社長、(電)06—6450—5460)は、AIによるVOC(顧客の声の収集・分析)や多言語対応など、新たなサービスに先駆的に取り組み、顧客を拡大している。現在は、自動翻訳を絡めたサービス提供に向けて技術開発を推進しているという同社の山本英治取締役カスタマーソリューション事業推進部長に話を聞いた。

■歴史に裏打ちされた高品質
 ─御社のコンタクトセンター事業の強みについて聞きたい。
 何点かあるが、一つとしては、NTTグループの百数十年の歴史に裏打ちされた、コンタクトセンターの品質の高さということが挙げられるだろう。また、多拠点分散を行っていることなどから、BCP(事業継続計画)の側面でもクライアントに貢献できる。NTTのビルはもともと、耐震基準が厳しく、震度7でも倒壊しないほど頑丈にできている。16年4月の熊本地震のときも、熊本市内にある当社の拠点は、翌日の午後から通常営業を開始できたほどだ。BCPに貢献できることは、当社の一つの強みといってよいだろう。
 最近は、人材採用に苦労する会社も多いと聞く。当社では、NTTグループの一員であることが、採用面での比較優位につながっていると感じている。地方にいくほど、そうした効果は大きい。
 また、社内やNTTグループ内に、技術に強い開発部隊を持っていることも強みといえるだろう。AI、VOC(顧客の声の収集・分析)、チャットボットといった最新の技術開発に取り組める体制が整っている。

 ─現在取り組んでいる技術開発は。
 当社では以前から、電話による多言語通訳サービスを展開してきたが、チャットボットやAIによるVOCと、多言語サービスを融合させた展開ができないかと考え、現在準備を進めているところだ。具体的には、翻訳の自動化について取り組みを進めている。

 ─ネット上で無料提供されている翻訳サービスも、最近はかなり高度化されてきたと感じるが。
 確かにそうした面もあるが、情報の秘匿性などが求められる場合には、より閉じたネットワークの中で、信頼できる翻訳サービスを利用したいというニーズがあると考えている。開発に着手しており、すでにデモができる段階になっている。なるべく早くサービス提供を開始したいと考えている。この自動翻訳を、VOCやチャットボットなどと結びつけることで、多様な可能性が広がると考えている。例えば英語での問い合わせをVOCでテキスト化し、日本語に自動翻訳。その内容を日本語音声で日本人オペレーターに伝えるといったことも可能だし、その逆ももちろん可能だ。あるいは、英語での問い合わせに対して、日本語で用意しているFAQを英語に自動翻訳して音声で伝えるといったこともできる。基本的には有人でオペレーターが対応するが、簡単な質問には無人で自動対応するといったこともできるだろう。自動翻訳については、19年3月期中にトライアルを進め、19年4月以降にサービス提供を開始することを目標に掲げている。
 20年の五輪だけでなく、21年のラグビーワールドカップも含め、音声・チャットでの多言語対応のニーズはますます高まるとみている。AIの活用や既存の多言語通訳センターとの組み合わせにより、できるだけ効率的・経済的にサービスを提供できるようにしたい。

■VOCの次の展開へ
 ─御社ではAIによるVOCの強化に注力していたが、現状は。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月25日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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