【コールセンター】 進む最新テクノロジーの活用/人材確保と定着率は共通課題

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 人工知能(AI)、人材確保の二つが、コールセンター業界の注目トピックとなっている。AIは大手コールセンター事業者を中心に導入・検証が進み、有人チャットや音声認識の技術も向上してきた。ロボットによる業務自動化のRPAに関しても、実績を上げている企業が出始めている。人材確保に関しては、業界にとって長年の課題となっており、いまだ明快な突破口を見いだせずにいる。大手・中小を問わず各社共通の課題で、オペレーターの定着率を高めるための取り組みや、業務負担を減らし働きやすさを意識した環境改善の動きがみられる。

■売上40億円台が成長
 日本流通産業新聞はコールセンター各社の売上高調査と同時に、各社の拠点やブース数、オペレーターの人数などもアンケート調査を実施した(別表参照)。
 コールセンター概要調査に回答した企業は28社。前年比増減率を明らかにした企業の中で、カスタマーリレーションテレマーケティング、スリープログループ、テレコメディア、東京ガスカスタマーサポート、ビーウィズ、ベルウェール渋谷の計6社が、オペレーション数とオペレーター数が増加している。
 テレコメディアを除く5社は、売上高が伸長しており業務を拡大している(カスタマーリレーションテレマーケティングは変則決算のため、売上高ランキング上は減収となっているが、17年4月から18年3月の売上高は93億5900万円)。
 6社のランキングを参照すると、23位にテレコメディア、24位に東京ガスカスタマーサポート、25位にベルウェール渋谷と、20位台に並んだ企業がブース数とオペレーター数を増やした。売上実績が40億円台後半から30億円半ばの企業が伸長している。

■人手不足への対応
 「現在最も経営課題として考えていること」の項目に回答した26社のうち、人材確保を課題として挙げたのは17社で最も回答が多かった。ビズスタッフコミュニケーションズやベルテックなどは、長年働いているオペレーター数が多く、オペレーターの友人から紹介する形で人員を増やすなどの取り組みを行っている。
 ジェイエムエス・ユナイテッドは、エンタメ系の商材に強く、「多くの人に人気で周知されている商品に関われること」がオペレーターのモチベーション向上につながるのではないかと分析している。
 地方の方が雇用は安定しているとの声もあった。テレコメディアは、徳島県に複数の拠点を持ち、地域の雇用創出に貢献している。サテライトオフィスを新設する会社も増加傾向にある。

■AIを積極活用
 経営課題として、「新技術の開発」と回答したのは7社で、大手企業の回答が多かった。AI活用に関しては大手企業やデジタル化に注力する企業以外は、消極的な意見が多かった。大手がデジタル化を進める中で、あえてアウトバウンド業務を強める企業もみられた。

コールセンターの現場では、人材の採用と定着率が課題となっている(※写真と本文、掲載企業とは関係ありません)

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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