本紙が実施した食品宅配企業の売上高調査によると、主要16社の合計売上高は2169億9600万円だった。前年調査と比較した実質伸び率は7・3%減のマイナスだった。コロナ禍で増えた需要の反動減が起こり、大手を中心に減収が目立つ。直近の四半期業績においても減収が多く、コロナ禍前の水準まで回復が遅れている。一方で、シニア向けの弁当・総菜宅配は堅調で、75歳以上の後期高齢者の急増を前に需要の取り込みを図る動きもある。
ランキングトップは全国64のフランチャイズ(FC)店が加盟するヨシケイグループだった。2位のワタミの「宅食事業」は、過去最高だった前年売上から減収に転じた。今期(25年3月期)は横ばいの見通しだ。
このほか、ミールキットを販売する各社が物価高の影響などを受けて成長が鈍化している。
4位のSL Creations(エスエル・クリエーションズ)も減収だったものの、高級冷凍食品シリーズ「Z’s MENU(ジーズメニュー)」は堅調だったとしている。
シニア向けの宅配は伸長しているようだ。ワタミは、自社工場を本格稼働させて冷凍弁当に力を注ぎ、シニア向けの需要獲得を急ぐ。
シニアライフクリエイトやシルバーライフなどフランチャイズ(FC)で展開する企業もシニア向けは順調に推移しており、取り組みを強化している。
食品宅配サービスにかかる人件費や燃料費、包装資材の値上げに加え、仕入れ食材の高騰や消費マインドの冷え込みもある25年、食品宅配各社の動向が注目される。
(続きは、「日本流通産業新聞 2月27日号で)
■掲載記事
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【食品宅配 特集 売上高ランキング】物価高騰が響きマイナス成長/シニア市場拡大に高まる期待感(2025年2月27日号)
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