コロナ禍以降、健康志向の高まりが顕著になっている。医師で、医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾の日比野佐和子統括院長によると、20年以降、健康であることの重要性を感じ、クリニックに相談に訪れる患者が増えているという。患者からは、「どのようにすれば免疫力が上がるのか」といった相談を受けることが多いとしている。日比野院長は、「適度な運動」「バランスの良い食事」「ストレスをためない生活」などを日頃から意識することを提案している。日比野院長は、水素水を日常的に飲むことも推奨している。「電解水素水で腸内を整えて善玉菌が増えやすい環境をつくれば、炎症の予防にもつながる」のだという。日比野院長に、腸内環境の改善方法と、水素水の働きについて聞いた。
■「免疫アップ」の声が増加
─来院する患者さんの健康意識は高まっていますか。
コロナに備えるために、免疫力を高めたいと話す患者さんの来院が増えています。健康であり続けることがいかに重要かを認識する人が増えていると感じています。
病気になって初めて、「自分が不健康だ」と感じる人が多いと思います。最近では、血圧や血糖値などを、周りの人と比べて、自分の不健康の度合いを痛感する人も増えてきていると思います。高血圧や糖尿病の持病を持っていると、それだけコロナの重症化リスクも高まります。健康に対する考え方を改めて、コロナに備えたいという人も多いようです。
相談が増えている理由は、コロナだけではありません。これからは、いかに若く健康でいられるかが意識される時代です。そういった面も含め、健康志向が高まっているのだと思います。
■口にするものからケア
─健康増進のために、日々の生活の中で変えられるポイントはどんなところですか。
まずは、口に入る食べ物や水を意識しないといけません。例えば、スナック菓子やマーガリンといった食事は、トランス脂肪酸を多く含み、腸内環境を汚染しやすいといわれます。タバコや保存料を多く使った食品、アルコールも注意が必要です。活性酸素が発生しやすいといわれているからです。
腸内環境を整える食事を、生活環境の中に取り入れるのが大事です。規則正しい食事と適度な運動をしましょう。精神的なストレスをためないようにすることも重要です。
毎日飲む”水”をケアすることも大事です。当院では、疲労回復や美容を目的に、水素水の点滴を行う治療を実施しています。ただ、点滴は毎日できるものではありません。毎日飲む水に、水素水を取り入れるが効果的ではないでしょうか。
■水素水で炎症を抑える
─なぜ水素水が腸内環境を整えるのに有効なのでしょうか。
さまざまな論文が発表されていますが、水素水には「抗酸化作用」があることが多くの論文で紹介されています。悪玉活性酸素といわれるヒドロキシラジカルを、スピーディーに除去することが実証されています。
腸内環境が整っていなければ、さまざまな疾患や肌荒れなどの原因につながるということは、一般的に知られています。腸内環境を整えるにはまず、活性酸素を除去し、腸内を悪玉菌が増えづらい環境にすることが必要です。その後、ヨーグルトやみそ、納豆といった善玉菌を含む発酵食品を取り入れましょう。オリゴ糖などの善玉菌のエサになる食事を取り入れれば、善玉菌を増やしていくことで、腸内環境が整っていきます。
悪玉菌が増えて腸内環境が乱れると、炎症が起こる原因にもなります。炎症とは、人間のからだがダメージを受けた後に起こる反応(生体の防御反応)です。切り傷ややけどでも炎症は起こりますし、紫外線による日焼けも炎症の一つです。ウイルス・細菌などの病原微生物の侵入(感染)によっても炎症が起こります。便秘で腸内に炎症が発生することもありますし、老化も炎症の一つだと考えられています。
活性酸素を除去すれば、炎症を防ぐことにもつながります。水素水が、炎症を抑え(抗炎症作用)、悪玉菌の住みにくい環境をつくるのに役立つのです。電解水素水を日常的に取り入れることで、いざ体にダメージを受けたときに、抗酸化作用、抗炎症作用が期待できます。
〈インタビュー〉医療法人社団康梓会 Y’sサイエンスクリニック広尾 日比野佐和子統括院長/電解水素水で腸内を整えれば、炎症対策にも(2022年1月1日新年特大号)
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。