【コールセンター】 〈インタビュー〉ベルシステム24ホールディングス 取締役執行役員・経営企画部部長 辻豊久氏/社員3万人の戦力最大化

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 ベルシステム24ホールディングス(HD)は10月7日、22年度までの中期経営計画(中計)を発表した。中計には業務在宅化の加速など、コロナ禍による社会情勢の変化を反映させた事業目標を盛り込んでいる。注力点の一つが人材力の強化だ。「社員3万人の戦力最大化」という目標を掲げ、人材育成・活用を推進する。辻豊久取締役執行役員に、人材活用を中心に中計の取り組みについて聞いた。

■現場の声を計画に反映

 今後の社会情勢を念頭に置いての練り直しももちろんだが、(野田俊介)社長の意向もあり、今回の経営計画には現場の声も大きく反映している。まとめる前に50人くらいのさまざまな職位の社員からヒアリングを行い、その意見を落とし込んでいる。
 重点施策として掲げている「社員3万人の戦力最大化」という言葉も現場から生まれたものだ。さまざまな強みを持つ3万人が、現在の業務にとらわれず、強みを最大限に発揮できる組織を目指す。
 その取り組みの一つとして、「タレントマネジメントシステム」という仕組みを、担当役員をトップにチームで進めている。各スタッフの業務経験や得意分野、保有スキルをデータ化し、人材活用の指針としていく。


■在宅業務を3年で4000席に拡大

 人材活用という観点で在宅ワークの増強も進めている。トライアルで進めていた約100席を、コロナ禍を受け2カ月で1000席まで引き上げた。今後3年以内に、4000席まで拡大していく計画だ。
 人材活用の中では、定着率の向上も取り組むべき課題だ。就業支援施設「SUDAchi(すだち)」での2週間の基礎研修といった取り組みも奏功し、離職率は徐々に下がってきている。
 働き方の多様性という意味でも、在宅化は非常にマッチしている。新たな雇用機会の創出や、人材の確保にもつなげていく。


■音声データは企業の「宝の山」

 重点施策の一つに「音声データ活用によるDX推進」もある。当社ならではのサービスとして、音声データを活用した企業への提案を課題として進めている。
 音声認識技術の進歩や、企業のデジタル化への意識向上により、その重要性は高まっている。非対面接客の機会が増していく中、ユーザーの声を直接反映した音声データは、企業にとって「宝の山」だ。
 通販・EC事業者においては各社が保有するデータと音声データを掛け合わせ、ユーザーの行動分析や予測を実現していく。定期通販の解約を検討しているユーザーを割り出し、課題を先回りして解決することで、解約防止につなげるといったことが具体的な活用例だ。
 こうしたデータ活用においては、特定のプラットフォームを設けるわけではなく、パートナー各社と個別に取り組みを検討していく。多様なソリューションやデータを持つ当社の強みを生かし、最適なデータ活用を提案していく。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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