【コールセンター】 〈インタビュー〉富士通コミュニケーションサービス 山本享史代表取締役社長/CXを一層強化

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 富士通コミュケーションサービスは今年で、25周年の節目の年を迎えた。現在強化しているのは、CX(カスタマーエクスペリエンス=顧客経験価値)の向上で、クライアントの先にいるユーザーの満足度を高めるサービスを展開している。受電業務だけではなく、ユーザーに商品やサービスの提案ができる「エンゲージメントセンター」の確立を目指す。今年4月から新たに就任した山本享史代表取締役社長に、CX向上の施策を聞いた。

 4月から社長に就任し、これまで多数のお客さまとお会いする機会があった。お客さまからは「これまでの知見をもとに多様な提案をしてほしい」という声を多くいただいている。
 販売する商品を改善するために顧客の声を収集してほしいとか、実店舗とECサイトなど複数の販売チャネルを持つお客さまからは、ECから実店舗にお客さまを送客・誘導したいという声などが寄せられている。
 お客さまから求められているのは単純な受電業務ではなく、もう少し先の提案ということが分かってきた。品質のクオリティーを維持しながら、クライアントの先にいるお客さまの満足度を満たせるよう取り組んでいかなければならない。CXの分野でどうサービス展開していくかが鍵になると考えている。
 例えば、最近だとNPS(ネットプロモータースコア=顧客ロイヤルティー指標)という新しい手法を用いて、企業に対する顧客満足度を数値として計測することなどを実践している。
 コールセンターの質を高めるには、商品やサービスの提案ができるセンターにならなければならない。早期にエンゲージメントセンターへ移行する必要があると感じている。
 こうした環境の中、当社の業績は順調に伸びている。特に流通やEC関連の依頼は増加傾向にあり、現在は売り上げ全体の3割強を占めている。時代の流れに合わせて電子マネーやキャッシュレス関連の引き合いもあった。
 今後の方針としては、社内の社員教育体制を見直していく。具体的には、今年7月から新たに専門教育部門の「CSL University」を立ち上げた。従来行っていたコールセンター関連の知識を会得する研修だけではなく、マーケティングやアナリティクス、英語などを学べる環境を整備した。CXを強化する上で必要な知識やノウハウを学べるよう強化している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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