楽天〈日本郵便と戦略的提携〉/物流プラットフォームを共創

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写真左から楽天の小森紀昭執行役員、三木谷浩史社長、日本郵政の増田寛也社長、日本郵便の衣川和秀社長

写真左から楽天の小森紀昭執行役員、三木谷浩史社長、日本郵政の増田寛也社長、日本郵便の衣川和秀社長

 楽天は20年12月24日、日本郵便と戦略的提携を結んだことを発表した。両社のアセットを活用した物流プラットフォームの開設などを視野に入れる。両社でEC物流のCX(顧客体験)を高め、配送業務を効率化するため、物流のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させたい考えだ。3月に締結予定の最終合意書に、具体的な協業内容を盛り込む計画だ。
 両社の戦略的提携は20年7月、楽天から持ち掛けたという。これまでも楽天と日本郵便は提携関係にあり、「楽天市場」の出店者向けに日本郵便の宅配サービスを特別運賃で提供していた。EC市場がさらなる拡大を見据え、より深い提携関係になる。データ連携による配送の効率化、需要予測なども研究していく。
 楽天の三木谷浩史社長は、「足元ではコロナで新しい生活様式への移行が進んでいる。ECが流通全体の20%を占めるようになる可能性がある。そのためには、安定した物流網を構築するかが大事。楽天と日本郵便のアセット(資産)で次世代の物流プラットフォームを作る」と話した。
 日本郵便の衣川和秀社長は、「新しい生活様式に移行する中、宅配が増加している。安定した配送ができるのか、危機感を持っている。国民生活に必要不可欠なECを守るという強い思いがある。今回の提携は、当社の2万4000の拠点と楽天のデジタルを活用し、EC物流をテクノロジーで変革する一大プロジェクトだ。新たな社会インフラとしてのオープンなプラットフォームを築いていく」と話す。


■オープンな仕組み作る

 オープンな物流プラットフォームでは、EC事業者や倉庫事業者、配送事業者も参加できるようにする。「楽天市場」以外のモール出店者や、日本郵便以外の配送事業者も参加できる体制を整えることで、より大きなスケールメッリットを得られるサービスを構築するようだ。
 楽天の小森紀昭執行役員は、「物流専門のアプリを開発し、利用者にポイントを付加する考えもある。合弁会社の設立も視野に入れている」と今後の展望を話す。
 日本郵政の増田寛也社長は、「物流以外でもあらゆる分野の提携もにらんでいる。楽天モバイルの普及のために郵便ネットワークの活用も検討する」と話した。

オープンな物流プラットフォームを構築する

オープンな物流プラットフォームを構築する

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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