【ネットショップ「売れる」デザイン・演出テクニック】連載46 消費者に選ばれる店舗とは?

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■未来が描ける視覚表現
 モール・独自ドメインサイトを問わず、自店と同様の商材を扱う競合店舗のオープンが後を絶ちません。価格競争も激化する中、それに捉われず常に売れ続けている店舗があります。
 そこで、その店舗が実践する「二つのこだわり」を伝授します。
 例えば、年間を通して訴求力のある「食品」を扱う店舗を例に挙げます。取扱商材によっては繁忙期や閑散期があり、アプローチの方法はさまざまですが、競合店舗の中から見つけてもらうために随所に工夫がなされています。
 その一つが、店舗の「コンセプト」を明確にすることです。特にバリエーション豊かな商材を扱う店舗にとって、コンセプトメーキングは必須となります。
 コンセプトがしっかりしていないと、やみくもに商材カテゴリーを増やしたのでは? と煩雑な印象を持たれ、その場しのぎの購買につながることはあっても、ファンやリピーターは育ちにくいでしょう。
 商材を扱っている意図や、それを摂取したり使用するとどんな未来が待っているのか、消費者に想像してもらうことが大切です。そして、そのコンセプトをもとに「店舗のこだわりページ」を制作しましょう。
 その際、注意すべきはターゲット層です。店舗の熱い思いも、表現によっては消費者が煩わしく感じる場合があります。女性がターゲットの場合は、手描き感や丸みのあるオブジェクトを配置したり、フォントを滑らかな明朝体にするなど「曲線的」な印象に、男性がターゲットの場合は、コントラストを意識したオブジェクトの配置や角張ったフォントを使用した「直線的」な印象に仕上げましょう。
 この施策は初来店の消費者に対して特に効果的ですが、何度かお買い物をしてくださっているリピーターに対しても安心材料として働き掛けます。
 特に女性は気に入ったら口コミで広める傾向が強く、その割合は男性と比較すると約13%も増加します。すなわち、自信を持って購入できる店という位置付けになれば継続的な購入が見込め、結果的にLTVを向上させることが可能なのです。


■感情と購買の相関性
 二つ目は、購買行動を分析し的確な「導線」を張ることです。
 楽天などのモールの場合、検索から商品ページへ誘導されることが主ですが、そのページの内容が消費者にとって納得のいくものでなかった場合、商品への興味は薄れ、ひいては店舗から離脱してしまいます。
 これらを防ぎ店舗に長く滞在してもらうには、全てのページに共通した導線を張るのではあまり意味がありません。
 例えば、取扱商材のカテゴリーを道しるべ的にヘッダーやレフトなどに配置するのはもちろんですが、見込み客と潜在客の意識の違いを理解した施策を行うことが大切です。

(続きは、「日本ネット経済新聞」5月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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