【ネットショップ 「売れる」デザイン・演出テクニック】 連載132 消費者心理をくすぐる「おまかせ」とは(2023年4月6日号)

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 入国制限の緩和や円安も相まって、国内のインバウンド需要は徐々に復活の兆しを見せています。訪日外国人が観光する場所はさまざまですが、多くの人が日本の食文化に興味を持って来日します。
 「sushi(寿司)」や「sukiyaki(すき焼き)」など、海外に広まっている日本語はいくつかあります。近年では、「omakase(おまかせ)」が料理のような位置付けで注目されています。
 今回は「おまかせ」にヒントを得たECの接客を考えます。


■「おまかせ」と「おすすめ」の違い

 「おまかせ」と「おすすめ」は一見すると似たような言葉ですが、「おまかせ」は「任せる」に「お」を付けた丁寧な表現で、「相手に委ねる」という意味があります。
 一方、「おすすめ」は「すすめる」に「お」を付けた丁寧な表現で、「相手に行為を促す」という意味があります。
 「おすすめ」の場合、すすめられた本人が決定権を持っているため強制力はさほどないですが、「おまかせ」は本人の意思で相手に委ねている状態です。
 飲食業界では、「おまかせ」が定着したキッカケは、高級寿司店の接客にあるそうです。
 その日仕入れた食材を、お客さまの嗜好に合わせて、職人が腕とセンスで調理する「おまかせコース」は、対面ならではのオーダーメードスタイルとして評価され、国内外問わず飲食業界に浸透しました。
 飲食業界ではコロナ禍により、非対面が推奨されてきたことから、タッチパネルでの注文や配膳ロボットの導入など、大きな改革を強いられてきました。
 対面でしか味わえないおまかせコースは、ある意味、時代に逆行したサービスのようにも感じますが、料理のテイクアウトが一般化し、高級店とコラボした冷凍食品がスーパーに並ぶ今だからこそ、あえて体感したい特別なサービスともいえるでしょう。


■「おまかせコース」をECで提供するには

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月6日号で)

<著者プロフィール>
 長山衛(ながやま・まもる)氏
 某大手食品ECサイトで運営を手掛けた後、08年10月にECサイトの運営代行などを手掛ける株式会社ネットショップ総研を設立。
 11年11月に「食品ネットショップ『10倍』売るための教科書 リピーターを確実に増やす商品プレゼン77のテクニック」(日本実業出版社)を上梓。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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