【EC操練所】第9回 イレギュラー業務のシステム化

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ルールと異なる要望への対応
 「とにかく運営を今より楽にしたい」という割とざっくりした要望から、どうにかこうにかシステム化をすることがよくあるのですが、時にはシステム化する意味があるのか、悩んでしまうほどイレギュラーが多い業務が存在します。
 ここでいうイレギュラーの一つに、購入者からお店のルールと逆行する要望が出てきたとき、それをお店側が何とかかなえようとするようなケースが存在します。
 要するに、購入者のわがままをお店が聞いてあげることにより、受注作業が煩雑化するということです。
 明らかに無理なこと(例えば、代引きでメール便の出荷にしてくれなど)は、どうしようもない(逆に言えば対応方法が明確なので割と容易に自動化できる)と思います。
 しかし、判断が微妙なもの(例えば、メーカー直送の商品を代引きで送ってほしい)については、〝断らない場合については〟そのときの状況で都度判断が必要となるため、やや難しいケースだと思います。

月に1度以上の発生は盛り込む

 先ほどの例だと、自社出荷商品と同時に購入されていたら、メーカーから自社に取り寄せて自社出荷商品と同梱することはできる場合があります。
 ただ、商品が大きいサイズの物だと送料の関係で提供が難しいこともあります。また、自社出荷商品の代引き請求金額を、直送商品分に上乗せして出荷するというような対応をされるネットショップもあります。
 この例のようなケースを、どこまでシステムで簡素化するのかという線引きが、システムの使いやすさに直結する問題でもあるのです。
 あくまで一つの基準ですが、月に一度以上発生するような事象であれば、対応簡素化を機能には盛り込むものの完全自動化にはせず、それ以上のレアケースの場合は、その事象に気付くことができる仕組みづくりにとどめるような提案をすることが多いです。
 そこを自動化するがゆえに、事象が発生しない日の業務が増えてしまったら本末転倒だからです。
 また、お店が想像できないようなイレギュラーをシステム化するのは非常に難しいことです。
 お店が想像できない以上は、システム会社が別のお店でシステム化した際の経験を生かすしかないのですが、そこがEC支援事業者の腕の見せどころになってくるので、われわれとしては日々精進しているところです。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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