【BtoB―EC向けサービス導入事例】〈「Bカート」〉 キッズ・エンターテインメント/卸先400社、全国に拡大

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川口哲生社長

川口哲生社長

 キッズ・エンターテインメント(本社愛知県、川口哲生社長)は、子ども向けの輸入玩具や雑貨などを卸売りしている。18年2月期の売上高は4億5000万円で順調に業績を伸ばしているという。
 創業者の川口哲生社長は約20年間に渡ってリクルートで採用関連の仕事に従事してきた。もともと独立志向が強く、将来は起業しようと考えていた。その後、子どもができたタイミングで「家族がワクワクできる環境を提供したい」(川口社長)と考え、2004年に独立。キッズ・エンターテインメントを設立した。
 取扱商品は、国内のメーカーから仕入れた商品、自社開発商品、海外からの輸入製品の三つのパターンがある。
 創業当初は、本社のある愛知県内や東京都内に実店舗を構えて商品を仕入れて販売していた。その後、販路の拡大を視野に入れ、自社サイトや楽天市場に出店してECを開始することで事業を拡大した。一方で、メーカーから商品を仕入れて販売する形態は、価格競争に陥る傾向にあり、卸売りを始めることにしたという。
 卸売りが軌道に乗り始めた2016年に、BtoB―ECサイトを立ち上げた。卸先は400社ほどで全国に広がっている。ベビー用品店や専門店、雑貨店、アパレル店などさまざまな業種が会員登録している。現在の会員(取引先)である400社の内訳は、7割が店舗販売で残り3割をEC企業が占めている。新規会員は、展示会などに出店することで開拓している。
 社員9人のうち、営業社員は2人。取引先のフォローがなかなかできていなかったことから、卸売り専用のECサイトを立ち上げることで細かな対応ができると考えた。


■取引条件が企業ごとに設定可能が決め手
 BtoB―ECを始めるにあたって、専用のECカートを探していたが、要望に応えられるものがBカートしかなかったという。検討していた他社のカートは、BtoCが主体で、BtoBにも転用できたものの、使い勝手があまり良くなかった。卸売りの場合は、取引条件が企業ごとに異なっており、他のカートではその設定をすることができなかったという。
 Dai(ダイ、本社京都府、木脇和政社長、(電)050―3188―1110)は、従来から企業向けの情報誌を発行しており、企業向け取引のノウハウがあった。カートを探していた時に東京でセミナーに参加した際に、卸売りで必要なノウハウを反映していることを聞き、Bカートを導入することに決めた。
 取引先向けに商品カタログを年に一度発行しているが、その間に商品のデザインやパッケージなどが変わることが頻繁にあった。ECサイトを導入したことで、こうした変化にもウェブサイトの写真を変えるだけでリアルタイムで対応ができるようになったという。
遠方の取引先とも、Bカートの画面を通じて説明ができることから、電話などでは伝えることができない情報を的確に伝えることにメリットを感じている。
 Bカート導入前は、商品の注文はファクスのみだったが、ECサイト経由の注文は売り上げベースで1割で、件数ベースでは2割にまで高まっているという。川口社長は「ECの利便性を取引先に伝えることで、可能な限りECサイトからの注文に誘導していきたい」と話す。
 前年同期比については、Bカートの登録する企業のほうが高い傾向にあるという。メルマガなどで毎月キャンペーンを告知することで接点を増やしていることも奏功しているようだ。「今後は、従来の販路ではないような市場の開拓に積極的なチャレンジしていきたい」と川口社長は話している。


〈システム概要〉
 「Bカート」は、BtoBの受発注業務をIT化するクラウド基盤のECプラットフォーム。BtoB特有の商習慣に標準機能で対応する。カスタマイズが不要ですぐに利用できる。楽天市場の出店者から上場企業まで、400社以上の導入実績がある。10万を超える事業者がBカートで発注を行っているという。最短3日、月額9800円から導入でき、カスタマイズの必要がない。

子ども向けの輸入玩具や雑貨などを卸売りしている

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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