【cotta 黒須綾希子社長】 〈コロナ禍で通販売上伸長〉新規顧客の定着が今年最大のテーマ

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 菓子材料ECのcotta(コッタ)は、20年9月期の通販売上高が前期比28%増の58億円だった。20年は、新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり需要」を捉えて、パンやケーキ作りのキットの販売を強化し、売り上げを拡大した。SNSを駆使した商品紹介や、レシピのライブ配信などにも積極的に取り組んだ。前期の事業展開、SNSでの広告施策、21年の展望などについて黒須綾希子社長に聞いた。

■デジタル広告投資4倍に

 ─20年9月期の増収要因について教えてください。
 自宅で楽しめる手作り商品の開発と販売展開が功を奏しました。コロナ禍で「巣ごもり」と「おうち時間」の需要が大幅に伸びたことが追い風となっています。その追い風に対し、仕込みをしていたテレビCMの放送などの施策もうまく合致しました。20年1月に福岡エリアで初となるテレビCMを開始しました。
 ─メディア戦略が順調だったわけですね。
 ただ、最初は思ったような成果を出すことができませんでした。テレビCMの放送期間の終了後に、アンケートを実施したところ、菓子作りに興味を持っているのは分かりましたが、そこから理想としていたコンバージョン(CV)に届きませんでした。改めて、メディア戦略の難しさを知りました。そこで、まずは「お菓子やパン作りを実際に体験してもらおう」と考え、手作りキットの商品開発に乗り出しました。
 20年4月中旬に1回目となる、パン作りキットのプレゼントキャンペーンを行いました。5月に緊急事態宣言が発令されたことにより、「巣ごもり」化が進んだのと同時に、ECサイトの登録者が増え始めました。
 20年9月には、2回目となるパン作りキットのプレゼント企画を展開しました。テレビCMの内容もこのキャンペーンに合わせた「パンキット企画」と、パン作りのサブスクリプション「コッタベーカリー」の2種類を用意しました。放送する地域は、人口の多い関東圏と関西圏に狙いを定めた結果、高い訴求効果が得られました。
 また、クリスマスケーキの無料キットのプレゼント企画を20年11月中旬に開始しました。1カ月で18万人以上の応募がありました。企画に合わせ、福岡県、佐賀県、大分県、山口県限定で2週間にわたりテレビCMを放送しました。CMが応募の増加に影響したとみています。20年のECサイトへの登録者数は35万人を超えて、会員数は100万人を突破しました。
 ─コッタのデジタル戦略について聞きたい。

(続きは、「日本ネット経済新聞」1月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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