アパレル・服飾雑貨・生活雑貨などを販売する、イオングループのコックスは、20年3―8月期(中間期)の自社ECサイトの売上高が、前年同期比で8.9倍に高まったという。EC化率は前年同期比約3倍の27.1%となった。同社はECサイトと、全国218店舗(20年10月末時点)を運営している。コロナ禍においては、多様なマスクを取りそろえたマスク専門ブランド「Mask.com(マスクドットコム)」が特に好評だという。同ブランドでは、1枚数百円のマスクから、100万円のものまでを扱っている。10月には、自社ECサイトをリニューアルオープンした。同社のEC事業を統括するデジタル推進統括部長兼運営部長の宮野敦氏に話を聞いた。
─コロナの影響は。
EC事業は好調でしたが、実店舗は臨時休業により大きな打撃を受けました。コロナ前は売り上げの約9割を実店舗で上げていましたが、緊急事態宣言発令中は全国のファッションビルやショッピングモールなどの200前後の実店舗が臨時休業せざるをえませんでした。20年3―8月期のECの売り上げ構成比は、前年同期比約3倍の27.1%にまで高まりました。
─ECで人気の商品、ブランドは。
ECサイトでは、「ikka(イッカ)」など、7ブランドを展開しています。マスクを筆頭に、生活雑貨の売れ行きが好調です。カジュアルアパレルブランド「ikka(イッカ)」や、マスクブランド「Mask.com」の人気が特に高いです。
■「Mask.com」立ち上げ
─マスク事業について教えてください。
コロナ禍でマスク需要が高まった時期に、ECサイトでマスクを販売できたことは当社の大きなターニングポイントとなりました。3月頃から準備を始め、4月10日にはECサイトでマスクの受注販売を開始しました。現在マスクは当社の主力商品となっています。9月8日からはファッションマスクブランド「Mask.com」を立ち上げました。当社が展開するブランドが集結する自社ECサイト「コックス公式オンライン」と実店舗での販売をスタートしました。
マスク事業を展開するにあたっては、メディア展開やSEOなどを強く意識しています。マスクの商品名を「ひや」「ぽか」など、全て「あ音」で終わるように命名しているのもそのためです。キャッチーで覚えやすい商品名にして、テレビなどメディアでの紹介された後に検索してもらいやすくなるようにしました。実際検索からのサイト流入は多いですね。
─100万円のマスクも扱っているということですが。
(続きは、「日本ネット経済新聞」11月26日号で)
〈プロフィール〉
宮野敦氏
大学卒業後コックスに入社。4年間店舗で販売員を経験した後、商品部へ異動。商品部では20年勤めた。15年に商品部の部長に就任。19年9月からはデジタルマーケティング部(現デジタル推進統括部)部長として、EC事業を牽引している。
【コックス 宮野敦デジタル推進統括部長兼運営部長】 〈上期EC売上高は前年同期比8.9倍に〉マスク事業が好評100万円のマスクが話題
記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。