【I―ne 伊藤翔哉執行役員・CSO】 <ECモール売上は32.7%増に> /主力ブランド成長させつつ「通販」全体にさらにチャレンジ(2024年7月4日号)

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 自社開発した美容品・日用品などの、卸やECを行う、I―ne(アイエヌイー)は、23年12月期の連結売上高が、前期比18.1%増の416億4300万円となった。ECの売り上げは、その内約3割を占めている。23年10―12月期(純第4四半期)における、国内ECモールの売上高は、前年同期比32.7%増と好調に成長を続けている。成長の要因や、オンラインの戦略について、執行役員・CSOを務める伊藤翔哉氏に話を聞いた。

 ─御社のEC事業について聞きたい。
 特に「YOLU(ヨル)」の伸長が、増収につながっている。
 ECでは特に、ミニマル美容家電ブランド「SALONIA(サロニア)」が好調だ。同ブランドはもともと、ドライヤーやヘアアイロンなど、どちらかというと低価格ラインがメインだった。22~23年は、中・高価格ラインの商品発売を進めていった。その結果、ウェブ上のプロモーションとうまくマッチし、伸長していった。
 特にアマゾンなど、ECモールとの相性が良い。楽天市場では、「SALONIA」の「EMSリフトブラシ」が「楽天週間ランキング1位」を28週連続で受賞するなど、好調だった。
 23年10―12月期(純第4四半期)における、国内ECモールの売上高は、前年同期比32.7%増となった。


バランスを重視

 ─ECのプロモーション戦略において、重視している点は。
 広告運用においては、広告だけで新規顧客を獲得するというより、CPA・CPOも見ながら、”コミュニケーションを取る”という考え方でプロモーションを展開している。バランスが重要だ。
 例えば、PRを依頼したインフルエンサーの投稿において、獲得率だけを見てその場での刈り取りを意識し、各PR案件で購入させるような強硬なコミュニケーションを行っていると、ブランド自体の価値が下がりかねない。
 当社では、「SNSのプロモーションを見たお客さまが、商品を購入するタイミングで、当社のブランドを想起していただく」ための、コミュニケーションやブランディングを重視して展開している。
 SNS広告において、展開したプロモーションから、オーガニックな購入をどうやって生んでいくのかという、戦略・視点が重要であると考えている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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