【大手健康食品通販】 マルチチャネル化進む動き/デジタルコミュニケーションに落とし込み(2024年6月27日号)

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サントリーウエルネスの新機能性表示食品「セサミンバイタル」

サントリーウエルネスの新機能性表示食品「セサミンバイタル」

 健康食品通販の大手企業では、商品の販売チャネルを分散する「マルチチャネル化」が進んでいる。サントリーウエルネスでは6月13日に、40~50代をターゲットにした新商品を発売したのに合わせて、ECやドラッグストアなどへの卸販売を本格化した。同社では23年に、大手薬局のクオール薬局と提携し、薬局での販売を開始していた。大手健康食品通販のキューサイでは、23年3月に発売したコラーゲン配合のドリンクが、通販やドラッグストアなどで爆発的な売れ行きとなっている。24年5月までに、首都圏を中心に、リアル店舗8000店に配架を行った。2社とも、さまざまな販路で展開し、幅広い年齢層の顧客にリーチするのが狙いだ。最終的には、会員専用のアプリなどのデジタルコミュニケーションに誘導し、継続的なコミュニケーションを行っていこうとしている。

■定期購入を最優先にしない

 サントリーウエルネスは6月13日、EC・実店舗流通を主体とした新機能性表示食品「セサミンバイタル」を発売した。
 「セサミンバイタル」は、「疲労感軽減」と「寝覚めの体調良好」を表示する機能性表示食品だ。ターゲットには、仕事や家事で忙しい40~50代を設定している。
 サントリーウエルネスでは、「セサミンバイタル」の販売において、単品通販の重要な指標である「定期購入の継続率」を最優先事項として設定しない戦略をとるとしている。
 サントリーウエルネスではこれまで、健康食品の通販で、顧客を定期購入へと引き上げ、継続率を高めるというビジネスモデルを確立してきた。インフォマーシャルや新聞広告、ウェブ上の「お試しモニター募集」の広告を見て注文の電話をかけてきた顧客に対して、商品を継続的に利用するメリットをコールセンターのオペレーターが説明し、定期購入へと引き上げる施策を、約20年にわたって行ってきた。
 サントリーウエルネスでは、こうした販売モデルは、シニア層の顧客にマッチした方法であり、「セサミンバイタル」のターゲットであるミドル層にはマッチしないと考えたという。
 「『セサミンバイタル』の発売を前に市場調査を行ったところ、ターゲットであるミドル層は、SNSなどで商品のレビューを見た後に、まずはECモールや店頭で購入する傾向が強いことが分かった。最終的にお客さまが、定期購入にメリットを感じてくれればうれしいが、まずは購入してもらいやすいチャネルを主体とした」(サントリーウエルネス・ヘルスケア事業部日比谷浩之氏)と話す。


■1年で145万本を出荷

 キューサイが23年3月に発売した「コラリッチ コラーゲンショット」は、コラーゲンスキンケアブランド「コラリッチ」として初の美容ドリンクだ。
 タレントのIKKOをアンバサダーに起用。IKKOが登場する短尺CMなどでプロモーションを行った。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月27日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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