【かっこ 岩井裕之 代表取締役】複数サイトの不正注文対策/店舗の売り上げ向上にも寄与

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かっこ(本社東京都)は、後払い代金の未払いなど不正が起きる可能性が高い注文を、事前に検知するシステム「O―PLUX(オープラックス)」を提供している。複数の店舗からの注文でも一括で審査することで決済代金の未回収リスクを軽減し、EC売り上げ向上にも寄与するという。岩井裕之社長に、EC不正注文の動向と「オープラックス」が複数店舗運営にどのようなポイントで役立つかを聞いた。

不正による機会損失対策

 ─ECの不正注文の定義とは。
 不正注文は(1)クレジットカード決済でのなりすまし詐欺によるチャージバックの発生(2)代引き決済での商品受け取り拒否(3)コンビニ払いなど後払い決済での代金未払い─という3種類が主なパターンです。
 いずれも悪意の有無にかかわらず代金の未回収や返品対応などにより機会損失が生じます。こうしたリスクへの対策は現在も進んでいるとは言えません。EC事業者全体でみると、不正注文による機会損失は、13年度で約1000億円と当社では推定しています。
 最近の悪意ある不正注文の傾向としては、コスメ商品などで、一つの品目を集中的に注文し、代金未払いのまま商品を転売してしまうという手口があります。
 ─複数店舗運営への対応は。
 モールサイト、カートシステム、受注システム提供会社など外部企業との連携を拡大しており、あらゆる流入経路・決済方法に対して不正対策を行えるようにしています。


複数店舗の売上向上支援

 ─複数店の運営で不正対策を行うメリットは。
 複数店の運営は、カートシステムやモールサイトなど、プラットフォームが多岐にわたります。「オープラックス」を導入することで、繁忙期でも統一した基準で瞬時に自動審査が可能になります。
 ─リスク軽減のほかにシステムの長所として考えていることは。
 店舗の売り上げ向上への寄与もあると考えています。審査の業務コスト削減に加えて、初回利用のお客さまに対して信用性から決済手段を絞ってしまうことで起きる機会損失を軽減したり、高額商品の取り扱いも安心して行えるようになると考えます。
 システムを導入した事業者では代金未回収リスクから設定していた後払い決済の上限額を撤廃しました。その結果、後払いによる売り上げが約15%向上したという事例も出ています。


〈「O―PLUX」 サービス概要〉
 ECの不正注文対策サービス。連続注文回数や配送先住所など、不正注文の実例を基に作成した数百種類の独自ルールから、利用企業ごとに審査基準を設定できる。結果は審査理由とともに「OK、保留、NG」として戻されるので、基準に合わない注文に対しては、別の決済手段を案内するなどの対応を行う際の判断材料となる。サービスはクラウドで提供し、審査用のデータやルールも随時更新されるため、新しい手口に対しても即座に対応が可能。受注システムとAPI連携を行えば、注文1件当たり約4秒で審査を行える。価格は、初期導入費用は個別に見積もる。システムの利用料は、注文処理量に応じて課金する。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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