オンライン上で贈り物ができるデジタルギフト市場が近年、急成長しており、ギフト通販各社にとっては重要な事業分野となっている。リンベルとギフトパッドは2月、デジタルギフトシステムを提供する合弁会社を設立した。初年度の売り上げ目標は3億円としている。ギフティは、化粧品などのサンプリング配布の手段としてギフトシステムの活用を広げていく考えだ。各社は従来のギフト商品に限らず、デジタルギフトシステムによる新たな価値創出を模索している。
■市場規模は1167億円
矢野経済研究所によると、デジタルギフトの国内市場規模は14年度が82億円で、18年度は1167億円となり、約14倍の成長を遂げている。23年度は2492億円にまで成長すると予測されている。
これに対して、ギフト全体の市場は約10兆円で、横ばい傾向だ。
ギフト専門のコンサルタント、ソーノカスタマーマーケティング(本社東京都)の園和弘社長は、「デジタルギフトはギフト市場全体の1%超にとどまっている。成長株であることは間違いないが、冷静に見る必要はある」と話す。近年のギフト通販事業者にみるデジタルギフト化の意識の高まりを踏まえ、「いまは種まきの期間ではないかと思う」とみる。
ただ、デジタルギフトになじみのない高齢者などが5年後、10年後に利用する可能性もあり、さらなる市場の拡大を予想している。
リンベルは10年前からデジタルギフトに進出している。リンベルの細谷光弘取締役副社長は、「参入は時代の流れよりも早すぎた」と振り返る。一方で、「いまはスマホを使う80代の人がいる時代。ブライダルギフトがデジタル化してから、デジタルギフトは急にブレイクした」(同)。
19年9月に東証マザーズに上場したギフティをはじめ、デジタルギフトに本格参入する事業者が目立っており、「時代の流れが大きく動いているという直感的なものはある」(同)と話す。
(続きは、「日本ネット経済新聞」4月2日号で)
〈ギフト通販〉 デジタルギフト活用広がる/リンベルはシステム会社設立
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