〈リタゲ広告がオワコンに〉 ブラウザがクッキー規制で足並みそろえる

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 ウェブブラウザ各社がCookie(クッキー)情報の規制に乗り出している。規制によって端末情報の特定が難しくなり、リターゲティング広告の精度が大幅に下がる可能性がある。アップルは4月24日、ユーザー端末のクッキー情報がアクセスしたサイトに保存される期間を24時間にすると発表した。グーグルも5月7日、「Chrome(クローム)」の仕様についてクッキー情報保護に関する発表を行った。グーグル広告やヤフーの広告、フェイスブック広告など、デジタル広告の多くがクッキー情報を活用したリターゲティング(リタゲ)広告だ。リタゲ広告にクッキーを利用できなければ、広告による流入やCVが発生しづらくなる可能性がある。ウェブ接客やアクセス解析などのツールも大きな影響を受けるとみられる。クッキー制限の影響を受ける広告代理店の中には、動向を見守る姿勢を示す企業が多く、EC市場全体への影響は未知数だ。

■クッキーで情報取れず

 アップルは4月24日、アップルが中心となって開発しているレンダリングエンジン(ウェブ言語プログラム)「Webkit(ウェブキット)」のページ上で、「サファリ」経由でユーザー端末がアクセスしたサイトに記録されるクッキー情報の保存期間を、24時間に制限すると発表した。実装する時期については明らかにしていない。
 アップルは17年から徐々に、iPhoneやMacなどの端末のプライバシー設定の保護を強化してきていた。複数のサイトに保存された同一のクッキー情報をひもづけることを制限。19年3月には、一つのサイトに記録されるクッキーの保存期間を7日間に制限するなど、段階的に規制を進めてきた。
 そもそもクッキー情報とは、ウェブページなどで、ブラウザに情報を保存するための仕組みだ。ユーザーがウェブサイトを訪れると、ユーザー端末のクッキー情報が、アクセスしたサイトのウェブサーバーに書き込まれる。クッキーはECサイトで、ユーザーのログイン状態を保持したり、一時的にカートに商品を保存したりするために使われる。
 ユーザー端末のクッキー情報をアドネットワークと共有するように設定しているサイトは多い。アドネットワークがクッキーとアクセス先をひもづけ、ユーザーに属性を付与する。クッキーの属性に合わせて、適切な広告をポータルサイトなどで表示するのがリターゲティング広告だ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」5月30日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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