食品を取り扱うネット通販、食品宅配業界の中で、一般消費者をはじめとする会員を巻き込んで商品開発や販促を行う企業が増えている。オイシックスは献立キットの販促の一環として、働く女性や母親を会員に持つコミュニティと組んで、女性の意見を取り入れた商品を開発。らでぃっしゅぼーやでは、女性コミュニティと組み、働く女性をターゲットにした食材セットの販促を展開している。商品の認知を高める手段として、販売のターゲットとなる顧客層を会員に持つコミュニティと連携。売り上げ拡大につなげようとする動きが活発になっている。
食品EC・宅配企業は、リードタイムが短い大手のネットスーパーなどの増加に伴い、顧客獲得の競争が激しくなっている。そのため各社は国産、有機素材といった特性を持たせるだけではなく、ターゲットとなる顧客を持つ異業種と協業することで販促に生かそうと取り組みを始めている。
オイシックスが13年7月に発売した20分で調理できる献立キット「きっと おいしっくす」は15年1月末現在で70万キットを突破した。
販売増に一役買っているのが、ターゲットとなるコミュニティを持つ企業とのコラボレーション企画だ。
共同開発の第1弾として、USENが運営する情報サイト「こどものヒトサラ」と組んでメニューキットを投入した。
「こどものヒトサラ」は、仕事で忙しい母親向けに乳幼児の食に関する情報を提供しているコミュニティサイト。「こどものヒトサラ」の編集長とオイシックスユーザーの女性5人による座談会で出た意見をもとに商品を開発した。
これに続いてサイバーエージェントとも共同で商品を開発。新メニューは献立キット「きっと おいしっくす」の商品として1週間の期間限定で販売した。
(続きは日本ネット経済新聞 3月12日号で)
食品EC 宅配企業に導入広がる/消費者とともに商品を開発
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