〈EC事業者〉販促に電子書籍を利用/グッズ、書籍の顧客に割引や特典

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ブックウォーカーが昨年8月に追加したグッズ販売ページ

ブックウォーカーが昨年8月に追加したグッズ販売ページ

 電子書籍を利用して、関連グッズの販促に取り組むEC事業者が増えている。電子書籍を扱うブックウォーカーは14年8月、電子書籍のECサイトでキャラクターグッズ約5000品目の購入を可能にした。トゥ・ディファクトは書籍通販と電子書籍の購入情報を連携、双方を購入する際は割引を設定して相互集客を図っている。講談社は1月、雑誌の購入者に対し電子版を無料配信するサービスを開始。誌面で紹介した商品の物販など機能の追加を検討している。電子書籍の購入者は、キャラクターグッズや書籍を求める顧客層と好みが共通すると想定。セット購入による割引や特典を付け販促する考えだ。

グッズ販売と連携

 KADOKAWAグループのブックウォーカーは、同じグループのキャラアニが扱うグッズ販売と販促面で協力を強化。電子書籍のページからキャラアニが扱う関連グッズのページへリンクを貼るほか、決済情報の連携を可能にした。
 ブックウォーカーの会員情報があれば、キャラアニの会員登録や決済情報の入力を省くことができる。グッズ販売のページに顧客を誘導することで、見込み客の離脱率を軽減するのが目的だ。
 14年8月には、ブックウォーカーのECサイトでグッズの販売も開始。配信中の電子書籍に関連するキャラアニの商品を専用ページで直接購入できるようにした。
 電子書籍とグッズの相互集客は現在もテストを重ねている。今後、グッズと電子書籍のセット購入者を対象とした特典の付与も検討している。
 「漫画作品の購読者などはキャラアニと重なっている顧客が多いとみている。お互いに得意とする商品ジャンルを生かして販促につなげていきたい」(ブックウォーカー・サービス企画部)と話す。
 イーブックイニシアティブジャパンは中国向け電子書籍事業で、電子書籍と合わせたグッズの販売を検討している。
 今年4月、中国・上海に現地の出版社と合弁会社を設立。設立後半年以内を目標に、合弁会社による中国向け電子書籍配信サイトを開設する予定だ。物販によってサイト利用者に向けた販促企画の充実を図る。
 「配信する漫画に関連したフィギュアなどのグッズも将来的には取り扱いたい」(イーブックイニシアティブジャパン・小出斉社長)との考えを示す。
 14年の国内電子書籍市場は前年比23・5%増の1050億円が見込まれている。13年の実績では市場の約8割を漫画が占めていた(いずれも矢野経済研究所調べ)。
 各社とも電子書籍市場で普及している漫画のコンテンツを生かし、購読者の関心が高いと見込めるグッズの販促に生かすことを期待しているようだ。

(続きは本紙2月5日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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