【新春カンファレンス2015】〈楽天 三木谷社長の講演要旨〉モバイル比率57%超に

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 楽天は1月15日、出店者向けのイベント「楽天新春カンファレンス」を開催した。三木谷社長は講演で、今年の方針や強化点について話した。講演要旨を紹介する。

 13年の時点で、楽天グループの時価総額は2兆円を超え、国内流通総額は5兆3000億円近くまで成長した。14年の決算はさらに拡大しているだろう。「楽天グループの成長は踊り場なのでは」という声も聞かれるが、毎年流通総額は伸びていて、サービスも進化している。
 私は出店者がずっと商売を続けられるプラットフォームが作れるかを考えてきた。その一つが楽天の会員システム「楽天スーパーポイント」で、さまざまなマーケティングができるような設計をしてきた。
 楽天会員というベースの上に楽天市場やコンテンツサービス、金融などが乗っている。このベースが広がって経済活動が拡大するほど、出店者のビジネスチャンスが広がっているということだ。
 楽天は、商品の受け取り方を多様化している。商品が駅などで受け取れる専用宅配ロッカー「楽天BOX」は試験運用中だが、好評のため展開を拡大していく。また、今春から国内約30カ所の郵便局にもロッカーを設置する。
 もう一つ考えなければいけないのはグローバル化だ。昨年12月に買収した米国の会員制ECサイトを運営するイーベイツ社の流通総額は今年、5000億円を超えるだろう。イーベイツのサイトに出店者の商品を載せられるようにしていく。
 ショッピングの新しいトレンドについて話したい。まずはキュレーションだ。楽天は自分のお気に入りの商品をソーシャル上にレコメンデーションできる「ROOM(ルーム)」を開始した。現在、100万人の会員が使っていて、実際の購買も起こっている。
 デバイスの多様化も見逃してはならない。今年の元日、モバイル端末からの「楽天市場」の流通額は57・2%を占めるようになった。モバイルは画面が小さいので、動画による商品アピールはますます重要になってくる。

(続きは本紙 1月22日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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