■取引透明化法の対象に
経済産業省はこのほど、「デジタルプラットフォーマー(DPF)取引透明化法」の対象に「デジタル広告市場」を追加するための具体策を示す資料をまとめ、5月16日開催の、デジタル市場競争会議で公開した。同資料では、デジタル広告の課題を列挙した上で、デジタル広告のプラットフォーム事業者に対応を求める課題と、その対応方法を、主に九つのポイントに分けてまとめている(表を参照)。
21年2月に施行された同法では、一定以上の市場規模を持つデジタルプラットフォームに対し、取引環境の公正化に向けた取り組みを行うことなどを努力義務として課している。楽天グループなど三つのECモールやアプリストアが対象。政府は21年4月の段階で、デジタル広告市場もDPF取引透明化法の対象に加えることを決定していた。
経産省によると、デジタル広告市場を同法の対象に加えるに当たっては、デジタルプラットフォームに対して、三つの義務を課すことになるという。
新たに課すのは、「情報開示の義務」「体制整備の義務」「経済産業大臣への報告書提出の義務」─の三つだ。
広告主に対して、取引価格やシステム、取引ルールの変更、アドフラウドなどの広告の質などについて、分かりやすく開示することを、デジタルプラットフォームの義務として明確に規定する。
情報開示義務に違反した場合は、事業者に対して勧告と社名の公表を行う。勧告に従わなかった場合は、事業者に対して措置命令や罰金100万円を科すという。適正な情報開示ができるよう、体制整備を行うことも義務付ける。体制整備の状況を報告することも義務化する。
(続きは、「日本ネット経済新聞」5月26日号で)
〈デジタル広告市場〉 広告効果の水増しにメス/グーグルなどが「取引透明化法」の対象に(2022年5月26日号)
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