異業種からペットEC市場に参入する企業が急増している。ペットEC市場の急拡大が背景にある。ドッグフードは、一度購入すれば定期購入につながりやすい商材といわれる。こうした強みがあるため、これまで健康食品や化粧品のECを展開していた企業などの参入が増えているようだ。現在、ドッグフードの業界では、「国産食材」や「人間用レベルの品質」がトレンドになっている。こうしたこともあり、これまで食品ECを行っていた企業や、食品加工のノウハウを持つ企業の参入も増えている。ドッグフードECでは、「ウェブ広告を回し、顧客を獲得し、定期購入につなげる」という流れが一般的だ。健康食品や化粧品のECで成功した企業が、ノウハウや成功事例を生かし、急成長するケースも出てきているようだ。ドッグフード以外の商材でも、大手を含め参入が相次いでいる。
■ノウハウ生かし急成長
ドライドッグフード「このこのごはん」をECで展開するオモヤ(本社福岡県)はもともと、健康食品や化粧品のECを展開していた。18年にペットフード事業を開始して以降、順調に売り上げを伸ばしているようだ。ペット事業単独の売り上げは公開していないが、ペット事業の売上高は15億円ほどとみられる。
福岡を中心とした実店舗とECで、水たきなどのECを展開してきたトリゼンダイニング(本社福岡県)も、18年に立ち上げたペットフードECが好調だ。
同社のペットフードEC事業は、発売以降年々売り上げを急拡大させている。23年9月期のペット事業のEC売上高は、前期比50%増の7億5000万円だったという。24年9月期も、大幅増収となる見通しだとしている。
もともとECで売り上げを拡大させていた企業には、EC運用のノウハウを水平展開できる強みがある。
原材料や使用食材などに多少の差異はあるものの、ドッグフード自体は、大幅な差別化がしにくい商材だ。すでにノウハウを持っている企業や、広告費を使える企業が優位となる傾向が強いようだ。
ペットECに新たに参入した犬猫生活(本社東京都)も近年、売り上げを急拡大させている。18年創業の同社は、23年4月期の売上高が、前期比2・5倍の11億5000万円だった。24年4月期も大幅増収になると見込んでおり、20億円近い売り上げになるとみられている。
同社の佐藤淳社長は以前、
(続きは、「日本ネット経済新聞」5月9日号で)
【ペットEC市場】 異業種からの参入が続く/「ドラクエ」「FF」のペット用品も(2024年5月9日号)
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