【CREAVEL 吉田光良社長】 CXとDXで、NB業界のゲームチェンジャーへ(2021年8月19日号)

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 CREAVEL(クレアヴェル、本社大阪府、吉田光良社長)は、15年10月の組織発足以来、健康食品や化粧品のネットワークビジネス(NB)を展開している。扱っているのは、プラセンタなどを配合したサプリメント「プラヴィアス」(メーカー希望小売価格税込2万円)と、プラセンタやクロノゲンを配合した美容液「リアージュ」(同)の2品。「大のNB嫌い」だった吉田社長が、NBの欠点をすべて解消して立ち上げたのが同社だという。「CX(顧客体験)とDX(デジタルトランスフォーメーション)に投資を行い、NB業界のゲームチェンジャーになる」と語る吉田社長に話を聞いた。

 ─「大のNB嫌い」だそうだが。
 その通りだ。なぜ嫌いなのかを改めて自分なりに分析してみたが、「既存のNBは方向性を間違えている」という結論に至った。
 ─どのような方向性について言っているか。
 多くのサプリメントのNB会社が、依然として、「足りない栄養素を補いましょう」という訴求を行っており、サプリの大量摂取を前提としたシステムが構築されている。
 戦後間もない、栄養不足の時代ならばそうしたアプローチもありえたかもしれないが、現代においては、間違ったアプローチといわざるをえない。
 現代において最も気にするべきは、糖尿病やガンを始めとした現代病だろう。予備軍を含めると「6人に1人が糖尿病」ともいわれている。一方で、サプリメントには、糖分が大量に含まれているケースも少なくない。そんなサプリメントを大量摂取するのは、全くフィットしていないアプローチといえる。健康を生み出すはずのサプリメントで、健康を損ないかねない状況だと考えている。
 なぜそういったことが起こるかと考えると、「表現力」に強みを持つ人が組織のトップになることが多いからなのではないかと考えている。組織のトップが、サプリメントの大量摂取をさせる、意欲と能力を持っているため、組織自体が変わっていかない。そろそろ「サプリメントの役割が、昔とは変わってきている」ことに気付くべきだ。われわれが、新たな価値を創造しなければならない。
 ─御社においてもNB事業を展開しているが、どのような考え方で組織運営を行っているか。
 当社の場合、商品を、本当に必要な2品だけに絞り、NBを展開するという実験を行っている。サプリメント「プラヴィアス」については、栄養過多で運動不足の人が多い現代という時代背景を踏まえ、最適な配合を行っている。
 既存のNBの「方向性の間違い」にはもう一つの側面があると考えている。それは、「権利収入」が得られるなどとうたいながら、実際にはハードワークする一部のトップリーダーしか儲からない仕組みになってしまっていることだ。属人的な「個」の力に頼った組織になっているため、組織が出来上がったからといってトップリーダーが手を抜くと、たちまち組織が崩壊してしまう。そもそもトップリーダーとして成功する確率も低く、多くの会員にとっては、割に合わない仕事になってしまっている。当社では、こうしたNBの弱点を、マネジメントの力で補う試みを始めている。
 ─どのような取り組みか。
 一つはDXだ。コロナによりDXの機運は高まっている。会員のマーケティングを、マネジメント側がウェブで本質的に支援できる仕組みを作らないといけないと考えている。
 そしてもう一つはCX。DXを通じて伝えきれない、感動・体験をリアルで伝え、共感・体感してもらうというものだ。
 DXとCXの融合に大きな投資を行い、実験を行いたいと考えている。この二つの実験によって、あくせくとハードワークをせずとも安定した高収入を得られる「卒業生」を、会員の中にたくさん作っていきたい。こつこつと積み上げた努力が、きちんと積みあがる仕組みを作る必要がある。DXを進めることによって「再現性」が生まれると考えている。
 ─具体的には、どのようなDX・CX投資を行っているのか。
 DXの分野では、ウェブページの改修によりブランディングの強化を図っている。将来的には、ネットでのアフィリエイト広告なども展開していきたいし、QRコードによる商品注文などにも対応していきたい。SNSとのリンクのさせ方なども検討を進めているところだ。
 CXの部分でも、私自身の人脈を活用しながら、普通では考えられないようなセミナーなども実施していっている。
 ─目指すところは。
 組織を多少伸ばすのは、私一人が頑張れば達成できる。ただ、われわれが目指しているのはそこではない。DXとCXの融合により、NB業界のゲームチェンジャーになりたいと考えている。そうでなければ面白くない。
 ─そうした事業展開に、コロナの影響は。
 健康の大切さに改めて気づくという意味では、コロナが追い風になっている部分もある。
 人というのは、生まれてくる方法は一つだが、死に方・老い方は数知れずある。一人一人が、老い方・死に方を選ぶべきだ。どうせ死ぬならば、健康できれいに、豊かな年の取り方をして、死んでいきたいものだ。その方法を提供していきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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