【健康食品通販企業トップインタビュー〈機能性表示制度への対応を聞く〉】森下仁丹 駒村純一社長/新制度下では業界全体で共通認識を作る

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駒村純一社長

駒村純一社長

森下仁丹が機能性表示食品制度に意欲的な姿勢を示している。春からは、ヘルスケア商品ブランド「ヘルスエイド」を立ち上げ、ブランド戦略に着手していく。機能性表示ができる健康食品はこのブランドの商品として販売していく予定だという。駒村純一社長に通販事業の状況と機能性表示食品制度への取り組みについて聞いた。

 ─直近の業績は。
 15年3月期は、増税の影響が大きく微減収となる見込みだ。着地はまだ分からないが、連結売上高はだいたい予想通り3・3%減の100億円で落ち着くのではないかと考えている。ただ、OEM受託事業は第3四半期の時点で10%増となっている。期初には、OEM事業にも、増税の影響が見られたが、早い段階で元に戻ったという印象だ。減収分はすべて増税の影響という格好になりそうだ。
 16年3月期の目標については、まだ分からないというのが本音だ。当社も機能性表示食品制度を利用していく考えだが、売り上げにどれほどの影響が見込めるかが計れない。ただ新制度のプラスの影響は下期に出てくるだろうとみている。
 ─機能性表示食品制度も始まるが届け出の予定はどうなっているか。
 届け出のタイミングは、できるだけ早くと考えている。当社ではかなりの数の商品を機能性表示できると思う。すぐに届け出ができそうなものから、まだデータが十分とはいえないものまでまちまちといった状態だ。届け出の準備に時間がかかりそうなものもあるが、用意ができ次第、順次届け出を行う予定でいる。
 ─研究レビューを行うのか。それとも最終製品についてトクホに準ずる臨床試験を行うのか。
 研究レビューをメーンに考えている。当社の独自素材については、ヒト臨床試験でエビデンスを用意していくつもりだ。
 機能性表示ができるようになった際には、新規のお客さまを獲得する前に、まず既存顧客に向けての周知活動が必要だと考えている。制度についてはもちろんだが、機能性表示のために既存商品の中身が変わるものもある。これについてまずは周知を徹底していく考えだ。
 当社の新戦略として、春から新ブランド「ヘルスエイド」を立ち上げる。当社は今まではあまりシリーズやブランドによる商品展開をしてこなかったが、顧客に新制度の利用商品などをうまく伝えるためにブランド展開をすることにした。機能性表示ができる商品はこの「ヘルスエイド」ブランドの商品として販売していく予定だ。
 ─新制度が通販売り上げにどの程度の影響を与えると期待しているか。
 通販売り上げとしては、5~10%は伸ばしたいと考えている。増収にはなると思うが、既存商品のパッケージの改訂など経費が多くかかるため、いずれにせよ減益にはなってしまうと思う。新制度が開始したからといって、初年度で大きな拡大は業界全体でもないと思うが、徐々に大きな成長は見込めると感じている。
 当社の場合、通販が主体ではあるが店舗販売もやっている。これまで店舗販売が小さかった分、店舗販売の成長率は高いのではないかと期待している。また、機能性表示する内容については各社とも、似通ったものになってくるのではないかと想定している。そういった状況の中で、差別化を図るポイントは、ユーザビリティーにあると考えている。今後はネットがより主流になると考えると、そもそもサイトが使いやすいかどうか、決済の仕方などが大事になってくると感じる。

(続きは本紙3月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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