IT大手のディー・エヌ・エー(DeNA)が運営していた健康・医療情報メディア「WELQ(ウェルク)」の掲載記事に無断転用や内容の誤りがあった問題に端を発し、キュレーションメディア(情報まとめサイト)が相次いで記事の公開を中止している。一部の通販会社はキュレーションメディアを集客源として活用しており、痛手を受けているケースもある。いい加減な商品や成分の情報を勝手に配信されたことで、迷惑を被っていた通販会社もあった。キュレーションメディアの記事が非公開化されることにより、通販会社のコンテンツがネット検索で上位表示されやすくなることに期待を寄せる声もある。今回の問題が通販会社にもたらした影響を追った。
■記事非公開相次ぐ
DeNAは12月5日、グループで運営する九つのキュレーションメディアのすべての記事を非公開化したと発表。「ウェルク」以外のファッションメディア「MERY(メリー)」やインテリアメディア「iemo(イエモ)」などにおいても、記事の無断転用や、根拠の不確かな記事を組織的に作成していたとの指摘を受けていたためだ。
キュレーションメディアは個人がテーマごとに情報をまとめて投稿できる形態が多い。DeNAのメディアでは実際に一般ユーザーからの投稿もあったが、組織的にアルバイトスタッフに記事を大量に作成させていた。
記事には検索キーワードとして価値の高い単語を数多く埋め込んでいた。そうすることにより、狙ったキーワードがネット検索された際に記事が上位表示されるように仕掛けていた。メディアとしての広告価値を高めることで収益を得ていたのだ。
キュレーションメディアの事業モデルはDeNAに限ったものではない。DeNAの記事非公開化を受けて、他のメディアも相次いで記事を非公開にした。ヤフーやリクルート、サイバーエージェントなど大手IT・メディアグループも同様のメディア事業を手掛けていた。記事を非公開化したメディア数は約20サイトにも上る(別表参照)。
■集客に影響出るか
通販コンサルタントのA氏は「キュレーションメディアを広告媒体として活用していた通販会社は多かった。少なからず通販会社の集客に影響しそうだ」と指摘する。
(続きは、「日本流通産業新聞」12月15日・22日合併号)
【通販会社への余波〜キュレーションメディア問題〜】集客源の消失に痛手/コンテンツの上位表示に期待も
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