【変わる総合通販企業の事業ポートフォリオ】 変化進めた企業は成長/不動産や支援など非通販事業の成果で差(2024年8月29日号)

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ベルーナが策定した新事業グループ

ベルーナが策定した新事業グループ

 カタログを中心にアパレルや雑貨などを販売してきた総合通販企業は、企業の成長や生き残りを図るために、事業ポートフォリオの変化が求められている。ベルーナは”総合通販企業から脱却”を掲げ、現状で収益の中心を担うプロパティ・ホテル事業と専門通販事業を「グロース領域」として中核に据えている。スクロールも通販事業やeコマース事業の維持を図りながら、ソリューション事業で成長を狙っている。一方、通販事業中心の経営体制から変化できなかった千趣会は、全体売上高を大きく落としている。前期と5期前の事業ポートフォリオの変化を図解しつつ、各社の戦略に迫る。

■【ベルーナ】総合通販比率が大幅縮小

 上場している主要な大手総合通販企業の前期と5期前の事業部門別の業績を比較した。
 ベルーナの5期前に当たる19年3月期は、全体売上高が1776億円であり、そのうち約61%を総合通販が占めている。直近の24年3月期では、総合通販に当たるアパレル・雑貨事業の売上比率は、約35%まで低下している。
 一方で19年3月期のプロパティ事業の売上比率は約5%しかなかったが、24年3月期はその比率が約15%まで拡大している。
 営業利益で見てみると、プロパティ・ホテル事業の存在感の大きさがより分かりやすい。
 24年3月期の全体の営業利益は97億円あり、そのうち約44%を占める42億円がプロパティ・ホテル事業の営業利益だ。プロパティ・ホテル事業は成長を続けており、売上高や営業利益の比率を今後さらに高めていきそうだ。
 ベルーナはこうした事業ポートフォリオの変化を受け、24年3月期の決算説明会において、新たな事業グループを策定した。

(続きは、「日本流通産業新聞 8月29日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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