【ナンバーワン表示問題】 悪質調査会社の営業にご用心/消費者庁が実態調査を行い注意喚起(2024年10月17日号)

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 消費者庁はこのほど、「ナンバーワン表示に関する実態調査報告書」を公表した。ナンバーワン表示が消費者の消費行動に大きな影響を与えることや、事業者が軽い気持ちで違法なナンバーワン表示に手を染めている実態が改めて明らかになった。こうした調査結果を踏まえ消費者庁では、「他社も同じ調査会社を使っているから」「調査会社が適法だと言っているから」といった安易な理由で、自ら調査内容を確認せずに、法的に問題がないと判断してしまうことについて警鐘を鳴らしている。

■消費者1000人/にアンケート

 消費者庁ではこのほど、「第三者の主観的評価を指標とするナンバーワン表示」を中心に実態を調査し結果を発表した。実際の広告物から368サンプルを収集し分析。併せて消費者1000人を対象にしたウェブアンケートも実施した。広告主15社、大手調査会社、事業者団体に対するヒアリングも実施したという。


■5割が購入に影響と回答

 調査によると、新しい商品などを購入する際に、ナンバーワン表示が購入の意思決定に「かなり影響する」「やや影響する」と回答した消費者は、約5割にのぼった。消費者は、ナンバーワン表示がある商品を、「実際の利用者による評価が『ナンバーワン』である商品」などと認識し、同種の他社商品と比べて優れていると認識する傾向があることも分かったという。
 景表法に詳しい薬事法広告研究所の稲留万希子氏は、「類似品や競合品が多い中で、ナンバーワン表示は確かに有効な可能性はある」と話す。「一方で、景表法の概念上、広告は全て広告主に責任があるのでリスクが大きい」と指摘する。


■事業者「調査会社/を信頼していた」

 広告主に表示を行う目的をヒアリングしたところ、「競合他社がナンバーワン表示を行っているため」「他社の商品等と比べて自社の商品等が見劣りするのを避けるため」という回答が多かったという。
 ナンバーワン表示を行うことを検討した経緯としては

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月17日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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