【生鮮食品通販・食品宅配】 商品価値高めて体験を充実/猛暑影響も付加価値で販売伸ばす(2024年8月22日号)

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 生鮮品を販売する通販やEC、食品宅配の企業では、コロナ禍で急激に伸びた業績の反動が尾を引いている。消費行動はコロナ禍前に戻り、外食の頻度が増加。「時短」が強みのミールキットを販売する企業では、世帯人数の減少に加え、自宅で料理、食事する機会が減ったことのあおりを受け、減収傾向が顕著だ。自社便で配送を担う食品宅配では、スタッフの人材確保難という経営課題もある。逆風が吹く中、オイシックス・ラ・大地やイオンネクストなど商品の付加価値を高める企業では、順調に顧客を獲得している。「ここでしか購入できない」という商品戦略で顧客体験を充実させるため試行錯誤する各社の取り組みを追った。

【通販・EC】イオンネクスト、「鮮度+」が好調

 イオングループのイオンネクスト(本社千葉県)が首都圏で展開するオンラインマーケット事業「Green Beans(グリーンビーンズ)」は、サービス開始から1年で会員数が21万人に達した。好調の背景にあるのが、「新鮮でおいしい」を約束する1週間鮮度保証「鮮度+(せんどぷらす)」だ。従来のネットスーパーにはない鮮度を付加価値にして差別化を図る。累計販売数は約25万点に拡大するなど成果につなげている。今後も、旬のフルーツの取り扱いを増やしていくほか、畜産品の冷蔵商品の販売を始めており、今年度は取扱商品を30品目に拡大する方針だ。
 7月からはプロが考える「食べごろ」で届けて一定の期間を保証する「食べごろ+(たべごろぷらす)」を投入。キウイやメロン、アボカドから始めた。複数の果物の食べごろ期間を印字して保証するのは「業界初」(同社)としている。
 7月20日と21日には、1周年記念イベントとして「グリーンビーンズ感謝祭~おかげさまで誕生から1周年 in イオンモール幕張新都心~」を開催した=写真。店頭でプロモーションを行うことで新規顧客との接点を広げた。
 生鮮ECで先行するオイシックス・ラ・大地が展開する食品EC「Oisix」では、異業種とコラボレーションしたミールキットのほか、著名人との共同企画を展開。「デリOisix」などの新商品を積極的に投入して差別化を図った。
 新規顧客の獲得では、運用型広告によるおためしセット経由での獲得やTiktokやYouTubeなどSNSを活用した動画による提案を行い、「赤ちゃん本舗」店頭でもオフラインでの新規獲得に乗り出した。


【食品宅配】サブスク活用で需要開拓

 食品宅配のSL Creations(エスエル・クリエーションズ、本社東京都)は、冷凍食品の高級ライン「Z’s MENU(ジーズメニュー)」のサブスクリプヨンで成果につなげている。

(続きは、「日本流通産業新聞」8月22日号で)

イオンネクストは「鮮度+(せんどぷらす)」で付加価値を提案

イオンネクストは「鮮度+(せんどぷらす)」で付加価値を提案

イオンネクストの1周年記念イベント「グリーンビーンズ感謝祭」の様子

イオンネクストの1周年記念イベント「グリーンビーンズ感謝祭」の様子

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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