【激戦の冷凍宅配弁当市場】ナッシュは1億食目前/若年層はデジマ、シニアは付加価値を提供(2024年7月18日号)

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ナッシュ 販売本部 広告部広報チーム 檜本修太氏

ナッシュ 販売本部 広告部広報チーム 檜本修太氏

 冷凍宅配弁当市場が激戦区となっている。ナッシュ(本社大阪府、田中智也社長)は24年5月、冷凍弁当のサブスクリプション(サブスク)サービス「nosh(ナッシュ)」の累計販売食数が、9000万食を突破したと発表した。大台となる累計販売食数1億食の到達も目前だ。後発ながら効率的なデジタルマーケティングを展開することで、若年層の顧客獲得につなげている。シニア層に向けた冷凍宅配弁当企業は、ナッシュとは異なる戦略で着実に成長を図っている。戦い方が異なる、若年層向けサービスとシニア向けサービスの有力企業の販売戦略をまとめた。

■デジマが一つの鍵

 コロナ禍の在宅時間の増加は冷凍宅配弁当業界において、確実に好影響をもたらした。自宅でおいしい食事を食べようと思う人が増え、多くの企業は販売食数を堅実に伸ばした。
 この業界の有力サービスとして「nosh」「三ツ星ファーム」「GREEN SPOON(グリーンスプーン)」の3社が挙げられる。3社とも冷凍宅配弁当業界において、新興企業として頭角を現し、急速に販売食数を拡大している。3社ともデジタルマーケティングに注力し、コロナ禍での新規顧客獲得に成功した。
 ナッシュは今年2月に累計販売食数が8000万食を突破し、わずか3カ月後の同5月には9000万食を突破した。
 「このままの勢いで行けば、8月のお盆明けには1億食に到達できると推測している」(ナッシュ 販売本部広告部広報チーム 檜本修太氏)と話す。
 ナッシュはさまざまなデジタルマーケティングを展開しており、中でもユーチューバーとのタイアップに手応えを感じている。糖質30グラム以下、塩分2・5グラム以下の商品を提供しており、健康を気遣うゲーム実況者との相性は良い。このほか、時短系ユーチューバーやVtuberなどとも連携しており、さまざまな訴求方法を模索している。
 直近では、テレビCMも放送している。全国ネットではなく、静岡を除く東海地方、関西地方のローカル、福岡など、地域を絞って放送し、サービスの認知拡大を目指している。
 「単価などを考えた結果、関東圏を外し、地方での放送で、『nosh』を知ってもらうことを目指している」(同)と話す。
 イングリウッド(本社東京都、黒川隆介社長兼CEO)も同様に、提供する「三ツ星ファーム」において、サービス開始時から積極的なデジタルマーケティングを実行してきた。
 SNS広告、リスティング広告、インフォマーシャルなどを展開し、「当社は21年からサービスを開始したため、この業界では後発となる。そのため、ある程度のマーケティング予算をかけて、多くの面で露出することを追求した」(三ツ星ファーム ブランドマネージャー 本間悠也氏)と話す。
 広告では、

(続きは、「日本流通産業新聞」7月18日号で)

累計販売食数の変化

累計販売食数の変化

三ツ星ファーム ブランドマネージャー 本間悠也氏

三ツ星ファーム ブランドマネージャー 本間悠也氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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