サントリーウエルネス/新規顧客との接点に/クオール薬局と連携し初の店頭販売(2023年6月1日号)

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 健康食品通販最大手のサントリーウエルネス(本社東京都、沖中直人社長)はこのほど、調剤薬局のクオール薬局と提携し、クオール薬局の店舗での、サントリーウエルネスのサプリメントの販売を開始した。サントリーウエルネスとして初めて、店頭で商品を販売する。サントリーウエルネスによると、クオール薬局に来訪する、通販を使ったことがないユーザーを、新規顧客として取り込むのが狙いだという。


■「ロコモア」が人気

 サントリーウエルネスとクオール薬局は4月13日から、クオール薬局の一部の店舗で、サントリーウエルネスのサプリ6品目の取り扱いを開始した。
 クオール薬局を訪れた患者に対して、薬剤師が、処方箋情報とは別の、健康課題や食生活などについて、ヒアリングを行う。ヒアリングで得た情報をもとに薬剤師が、サントリーウエルネスのサプリの利用を提案するという。
 クオール薬局では、サントリーウエルネスのサプリのうち、「セサミン」や「ロコモア」などの商品の、1週間分のトライアルパックを取り扱う。
 薬局でサプリを購入した患者が、サプリの定期利用を希望する場合には、薬剤師が、チラシに電話番号やECサイトのURLが書いてあることを伝え、通販での定期購入を提案するという。
 サービス開始から1カ月時点では、膝関節ケアの機能性表示食品「ロコモア」が人気だとしている。


■薬剤師の説得力を武器に

 サントリーウエルネスによると、クオール薬局との提携は、「自分から通販に申し込むのは抵抗がある層にリーチするのが目的」(ヘルスケア事業部・中本昭智課長)だとしている。
 これまでサプリの利用に積極的でなかった人や、薬との飲み合わせを心配してサプリメントを飲まなかった人に対して、薬剤師が提案することで、サプリメントの利用のハードルを下げる狙いがあるとしている。
 「コールセンターのオペレーターが商品を提案するよりも、薬剤師が対面で説明する方が、説得力が高い」(同)と話す。
 クオール薬局を運営するクオールホールディングスでは、薬に頼らないセルフメディケーションの意識を高めるために、サントリーウエルネスと提携したという。
 今後は、高齢者の人口が拡大し、国の医療費負担が増大するとされている。そんな中、「病気にならないために自分でケアする」という意識を多くの人に持ってもらう狙いがあるという。
 クオール薬局では、処方箋以外の情報として、患者の過去のアレルギーデータや、コレステロール値・血圧など、さまざまな健康データを取得しており、薬剤師が確認できる。
 今後、サプリメントの提案に、こうしたデータを活用していく計画もあるという。
 「薬剤師は、何よりも患者さんの健康や安全のために、エビデンスを重視する。エビデンスをもとに患者さんにサプリを提案できるよう、サントリーウエルネスの勉強会を頻繁に実施し、薬剤師が参加している」(広報部・白国宏基部長)と話している。
 サントリーウエルネスとクオール薬局は、サプリの取扱店舗を、23年中に550店舗にまで拡大させる方針だ。
 サントリーウエルネスによると、将来的に、クオール薬局に限らず、さまざまな薬局と、サプリの販売について協業したい考えがあるという。
 クオール薬局では、サントリーウエルネス以外のサプリを取り扱う可能性もあるとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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