2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
- 2022/01/13
- 日本ネット経済新聞
- 2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈メタバース〉
HIKKY
21年は、オンライン上の仮想空間を指す「メタバース」という言葉が脚光を浴びた1年だった。VR(仮想現実)コンテンツの制作やメタバース上でのイベントを主催するHIKKY(ヒッキー、本社東京都)の舟越靖代表は、メタバースを活用したECの市場が大きく拡大する1年になると22年を予測する。
オンライン上に高度なコミュニケーションの場を構築できるのがメタバースの特徴だ。こうした空間で生まれる体験は次世代のインターネットの姿ともいわれている。
VR空間で訪れるユーザーに向け、商品やコンテンツを発信する仮想店舗などがECでの活用例となる。すでに先進的な企業を中心に運用が進んでおり、22年はこの動きがより加速していくものと考えている。メタバース上でのコンテンツ配信や広告掲載なども含め、市場規模も飛躍的な向上が予測される。
メタバースを活用したECでは、平面である既存のECサイトを立体にすることで、実店舗が持つような体験価値の付加が可能となる。360度視認可能な3Dモデルによる商品展示は、アパレルアイテムや食品とも相性が良く、売り上げの向上にもつながっている。
利点としては体験やコミュニケーションの双方向性も挙げられる。これにより、今まで不向きとされていた商材の販売拡大も期待される。
例えば、3Dモデルで高級車を構築すればVR空間内で試乗が行え、ディーラーのアバターから接客もリアルタイムで受けることができる。VRでの試乗が実際の店舗への来店に結び付くデータも出ており、全世界のメーカー各社がVRのショールームを作成している現状だ。
昨今は、メタバースという言葉の認知も広がり、市場もすでにブルーオーシャンと呼べない状況だ。先行者利益を得るためには、今年前半のアクションが求められる。
今後市場が広がる中で、既存のECモールの「VR版」のようなプラットフォームが台頭することも予測される。メタバースを活用したECを検討する事業者には、こうした状況も想定し、汎用性のある仮想店舗の開設を勧めたい。もちろん、実績やノウハウを持つパートナー企業の見極めも重要となる。
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