前回は、大手EC企業が、今年11月の「独身の日」に向けて、2大越境モールである「天猫国際(Tモールグローバル)」と「JD Worldwide」に本格出店する動きがあることについてお伝えしました。今回は、中長期視点で越境モールに出店しているEC企業の戦略や、最新の動向について触れたいと思います。
国内では昨年から、「天猫国際」で売り上げを爆発的に伸ばす企業のニュースが増えました。一方、一部の企業では価格競争が進んだり、販促費が膨れ上がったため、想定より利益が出ていないケースもあります。このような状況でも2大越境モールに出店する企業が増えているのは事実です。
その背景には二つの理由があるようです。一つ目は「規模の大きい中国EC市場に挑戦したい」という理由です。成長を継続するために挑戦するのであれば、中国でシェアの高いモールへ出店するのが得策だというわけです。国内で楽天やアマゾンに出店してから、その後の戦略を考えようという発想に近い感じです。
もう一つの理由は「ブランディング」です。10年後を見据えている経営者は、国内のEC市場がいずれ飽和状態になるかもしれないことを想定しています。世界最大のEC市場である中国において、今のうちから社名や商品の知名度を高めておきたいと考えています。
■Wechat活用進む
中国の越境モールに出店している企業の多くは、中国で7億人以上が利用し、圧倒的なシェアを握っている無料の通話・メッセージアプリ「Wechat(ウィーチャット=微信)」とECサイトの連携を検討しています。
(続きは、「日本ネット経済新聞」8月4日号で)
【中国越境2大モール本格参入術】第3回 ブランディングで出店するケースも
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