日本のEC市場において「中国向け越境ECブーム」が起き始めてからおよそ1年がたちます。ここ3カ月くらいで環境が全く異ってきましたので、今週からの連載で中国ECの動向を交えながら中国向け越境ECへの本格参入に向けて見えてきた課題や、訪日客にリピート購入してもらうための取り組みを含めてお伝えできればと思います。
最近、中国ECの巨人「アリババ」の年間流通額が50兆円を突破したというニュースが話題となりました。中国で7億人が利用する「Wechat(微信)」を提供する巨大IT企業・テンセントと、中国EC2位のJD.COMの連携も進んでいます。
中国EC市場は100兆円突破を射程圏内に入れ、3年後には日本のEC市場の15倍以上となる200兆円を突破するとの予想も出ています。中国では日本以上に、ECが消費者の生活の一部になってきています。
ユニ・チャームやラオックスのような中国に工場や販売ルートを持っている企業も、越境ECにシフトする方針を打ち出しています。中国の現地法人が中国国内で販売を拡大するよりも、日本から中国の巨大モールを通して販売を拡大する動きを加速させるというのです。
当社へも国内の大手企業から中国の越境EC参入に関する問い合わせが急増しています。しかも最近は、「今年の9月までに中国モールに出店して売り上げ拡大を狙いたい」という期限付きでの依頼が増えています。
現在の中国EC市場は「中国法人が中国の巨大モールで販売している売り上げ」のシェアが大半を占めています。「越境EC」のシェアはほぼ皆無でした。それが中国政府の「越境EC特別区の保税モデル」や、個人の並行輸入への締め付けが始まりました。
(続きは、「日本ネット経済新聞」6月9日号で)
新連載【中国越境2大モール本格参入術】第1回 今年は中国2大モール本格参入元年
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