TIS(本社東京都)が運営する、デジタルマーケティング情報サイト「マーケ@IT編集部」(http://www.marketingit.jp/)は6月9日、デジタルマーケティング施策を行っている企業の担当者300人にアンケートを実施し、結果を発表した。
95%が重要性を感じている
デジタルマーケティングの重要性について質問したところ、「とても重要」「どちらかと言えば重要」と回答した人が合計で95%を超えた。その理由については、「リアルタイムの情報展開」(IT・インターネット関連・部長クラス)、「いろいろなサービスとの融合が図れる」(ソフトウェア・情報サービス業・課長クラス)、「企業イメージの確立」(石油系製造業・部長クラス)などのコメントがあった。また、「最新の情報を得るために必要」(運輸業・係長クラス)、「幅広いマーケティングを行えるから必要」(自動車系製造業・係長クラス)、「購入者のニーズの掌握」(衣料系製造業・課長クラス)など、情報収集やマーケティングにおける重要性を挙げる声も目立った。
そのほか、「動きが早いマーケットに対し、効果を確認しながら進捗を追える」(ソフトウェア・情報サービス業・部長クラス)、「効率的、迅速化、経費低減」(家電系製造業・課長クラス)など、即時にチェックと反映ができる点や、費用対効果の面でもメリットを感じる声が多くあった。
一方、「重要でない」と回答した企業は、「(自社は)一般営業が少ない」(運輸業・本部長クラス)、「需要がない」(総合商社・係長クラス)と話し、一般消費者の顧客が少ない点を理由に挙げた。「社内体制が整っていない」(サービス業・係長クラス)、「コストがまだ高い」(IT・インターネット関連・本部長クラス)などの声もあった。
活用方法最多は「ウェブ広告」
デジタルマーケティングの活用方法について最も多かった分野は、「ウェブ広告」「ウェブサイト最適化」で、過半数が取り組んでいる。また、ソーシャルメディアやコンテンツ、メールなどを活用したマーケティングも上位となった。広告やアプリの活用によるモバイル対応も進んでいるようだ。
また、デジタル以外のマーケティング活動は「新聞・雑誌・ラジオ広告」が51・3%で最多だった(右表参照)。
マーケティング全体の予算において、デジタルマーケティングが占める割合は「10~24%」が最多だった。「25~49%」「5~9%」が続いた。「まだまだ従来型のマーケティングに注力する傾向が根強くあると言えるだろう」(同編集部)と分析する。
一方で、「50%~100%」と回答した企業は全体の1割近くを占めた。「いずれは数字が逆転する日が来るかもしれない」(同編集部)と見る。
ほとんどの項目で、デジタルマーケティングの実施において「重要である」との回答人が9割以上に上ったが、達成度合いについては「できていない」との回答が3~5割程度を占めた。
経営層のITリテラシーの向上が課題に
マーケティング担当者とIT担当者の両方に「自社のデジタルマーケティングが進んでいる理由・遅れている理由」について質問したところ、いずれの理由においても「マーケティング部門とIT部門の情報共有・連携」と回答する人が最も多かった。
進んでいる理由については、「上層部がデータ活用に関しての有効性を理解しているから」との回答が上位に挙がった。
一方、遅れている理由は、「データ分析が可能な人員が不足しているから」「デジタルマーケティングへの知見が足らないから」が上位に挙がった。「経営層がこの分野にどれだけ注力しているのか、また、過去にどれだけ注力してきたかによって、大きな差が出てきていると言える」(同編集部)としている。
【EC関連リサーチ】〈マーケ@IT編集部「デジタルマーケティング実施状況」〉/95%以上「デジタルマーケティングは重要」
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