【リピートEC 成功の秘訣「真の顧客満足向上とは」】第13回 顧客との関係を新構築するARアプリ

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■ブランディングの種類

 前回は、「単品リピート通販におけるブランディング」について解説しました。
 ブランディングにはいくつか種類があります。たとえば、商品の開発秘話やストーリーを展開していく「ストーリーブランディング」。社長のカリスマ性をみせる「代表者ブランディング」。有識者がエビデンスについて説明したり、有名人がおすすめしたりする「有識者ブランディング」、さらに社員の魅力を前面に出してみせる「人材ブランディング」などです。
 こういった中から、企業の理念や考え方に合ったブランディングを進めていけば良いと思います。
 しかし、メールマガジンや同梱物などで、こういった企業の本質を伝えていくのはなかなか難しい側面もあります。


■「かざしる」の新しい伝え方

 当社では、3月に「かざしる」というARアプリをリリースしました。単品リピート通販のブランディングを目的としたツールです。
 「かざしる」は、スマホで画像などを読み取ると、スマホの画面上にイラストや人物などが立体的に浮かび上がったり、音楽が流れてきたりするというアプリです。
 たとえば、「かざしる」用に画像認識させた名刺を作成します。その名刺にスマホのカメラをかざすと、名刺の人物が画面上に立体的に登場して、動いたり話をしたりするというものです。
 あるいは、ひまわりの種が入ったグリーティングカードにスマートフォンをかざすと、音楽とともにひまわりが浮かび上がり、花が咲き始めるといったことも可能です。
 このARアプリは、新しい「ECにおける顧客との関係構築」を実現するものだと考えています。
 これまでは、商品に同梱する資料などで、こちら側の想いを一方的に伝えようとしてきました。しかし、それでは直接会ったり話したりするのと同じ伝え方をするのは不可能です。
 「かざしる」を使えば、商品のパッケージや同梱物の画像をスマホで読み取るだけで、映像を見てもらうことができます。まるで、商品開発者が顧客の目の前で話しているかのように伝えることができます。商品の使い方を動画で表現することもできます。映像表現は自由自在です。
 課題となるのは、いかにアプリをダウンロードしてもらうか、あるいはアンインストールされないようにするかです。ARでクーポンや特典を表示させるといった工夫は必要になります。
 自社独自のアプリを使ってもらえれば、顧客の嗜好や商品の購入動機といった記録をとることも可能になります。そのため、ブランディングのためのツールをより効率的に作成することができるようになるでしょう。


〈筆者プロフィール〉
 ライフエックス代表取締役社長 工藤一朗

 1980年生まれ、大学卒業後、総合通販のベルーナに入社。入社後すぐに売り上げナンバーワンを記録。その後、東証一部上場企業の営業部長などを経て退社。
 09年にライフェックスを設立し、一貫して通販・ダイレクトマーケティングに従事する。日本通販CRM協会役員兼務。

ブランディング用ARアプリ「かざしる」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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