菓子材料などのEC事業者、タイセイは今年1月1日付けで、黒須綾希子取締役が社長に就任した。19年9月期の通販売上高は前期比7.6%増の45億6900万円だった。前期は個人向け販売が順調だったほか、新潟県に物流拠点を新設したり、法人向けECサイトを開設している。20年の戦略や菓子業界の市場変化などについて黒須綾希子新社長に聞いた。
■BtoCの割合が増加
─2代目社長として現在の心境は。
特別なプレッシャーを感じてはいませんが、責任は重くなっていると感じています。社長に就任して、バランス感覚が改めて求められています。先代が創業した時とは、状況や環境が大きく変化しています。
前社長も経営者として優秀でしたが、その経営手法をそのまま真似できません。前社長の時代は、法人向け販売などBtoBが中心でしたが、現在は一般消費者などBtoCの割合が増えています。現在、法人向けの販売は売り上げ全体の4割、個人向け販売は6割を占めています。
経営者として、法人販売と個人販売のバランスの舵取りが求められていると実感しています。売り上げは確実に伸びていますが、物流の整備が今後の課題です。
─前期の増収要因について教えてください。
コンビニスイーツなどの台頭で大口の取引先が廃業したり、業績が悪化したりする中で、個人需要の伸びが売り上げをけん引しました。さらに、SNSの商品情報の投稿と、新商品のラインアップ強化、新潟県の物流拠点の新設などが増収要因だと考えています。
─物流体制の拡大と整備について詳しく教えてください。
前期は売り上げが伸びている分、それに耐えることができるロジスティクスを構築することを第一に取り組んできました。BtoC事業が拡大したことに合わせて、昨年6月に新潟県に新しい物流拠点を設けました。BtoBは引き続き大分県の物流拠点で行い、新潟県ではBtoCの物流を中心に稼働していきます。
出荷量が前年よりも格段に増えました。BtoCの取り引きが増えて、出荷量は15%ほど増えていると実感しています。新潟県に物流拠点を増やしたことで東京など関東圏への配送スピードは以前より早くなっています。
■低価格帯の需要伸びる
─最近の顧客層に変化はありますか。
(続きは、「日本ネット経済新聞」2月27日号で)
【タイセイ 黒須綾希子社長】〈今年1月に社長に就任〉法人、個人の事業バランスを重視
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