LINEは6月28日、ショッピングサービス「LINEショッピング」において、画像で商品を検索できる新機能「ショッピングレンズ」の提供を開始した。データ分析を担当するO2O事業室ストラテジックテクノロジーチームの保田昌彦シニアアナリストに「ショッピングレンズ」の利用状況を聞いた。提供開始から20日間で累計ユーザー数は2万5000人を超え、「LINEショッピング」の総検索数は平均11%増となった。「ショッピングレンズ」のコンバージョン率は、「LINEショッピング」全体と比較して約40%高いという。
─どのくらいのユーザーが利用しているのか。
サービス開始から約20日間で累計ユーザー数は2万5000人を超えた。サービス開始後、すぐにテレビで紹介してもらい、利用者が一気に増えたが、その後も毎日一定数のユーザーが利用している。「ショッピングレンズ」提供後、「LINEショッピング」全体の検索数は平均で約11%増となった。既存ユーザーが使うケースもあれば、「ショッピングレンズ」があるから「LINEショッピング」を使うようになった新規ユーザーもいる。
─「ショッピングレンズ」のコンバージョンは。
「LINEショッピング」全体の検索よりも約40%高い。欲しい商品がダイレクトに出てくるため、コンバージョンにつながりやすい。
■若い女性が利用
─ユーザーの属性は。
性別で見ると女性が約65%で男性は約35%。女性は10〜20代が多く、男性は20〜30代が多い。女性に関しては「LINEショッピング」全体のユーザー層よりも若い人が「ショッピングレンズ」を使っている。若年層の開拓につながっている。
─どのような商品が検索されているのか。
商品カテゴリーでは、ファッションの検索が多く、約70%を占めている。「LINEショッピング」全体のファッションの検索比率よりも約30%高い結果となっている。残りの30%には、インテリアや雑貨などが入っている。形や色柄などビジュアルから探したいアイテムに向いている。
若いユーザーが利用していることもあり、雑誌などで見かけたブランド品と似たようなデザインで、もっと安いアイテムを探すといった消費行動も見受けられる。男性はなぜかTシャツの検索が多い。性別や年代によって検索の仕方で生活が見えてくる。
■画像アップが80%
─どのような使い方が多いのか。
利用方法は2種類ある。カメラで撮影した写真を検索する方法と、スマホに保存してある画像をアップロードして検索する方法だ。利用率で見るとカメラで撮影する方法が約20%、画像アップロードが約80%という結果になっている。これはある程度予想通りの結果だった。ユーザーはSNSで流れてきた画像をスクリーンショットしたり、雑誌やテレビで見かけた画像を保存し、「ショッピングレンズ」で検索しているのだろう。店舗で気になる商品を撮影したり、街中でおしゃれな人を撮影したりするのは誰でも抵抗がある。
─今後の課題は。
もっと「ショッピングレンズ」の認知度を高めたい。7月20〜31日にはユーザーにポイントをプレゼントするキャンペーンを実施した。
「ショッピングレンズ」の使い方を提案し、購買行動における検索方法を置き換えていきたい。私も外国製の洗剤を検索する際に「ショッピングレンズ」を使った。外国語で書かれた商品名が分からずテキストでは検索できなかったが、写真を撮って検索すると、探していた商品を簡単に見つけることができた。スマホで写真を撮ることができ、LINEを利用している方であれば、誰でも「ショッピングレンズ」を利用できる。シニアの方などネットショッピングに不慣れな方でも使いやすいサービスだと思う。
検索結果をシェアできる機能があってもいいかもしれない。ユーザーがシェアすることで、話題や選択の機会を広げることができそうだ。
【LINE O2O事業室 ストラテジックテクノロジーチーム シニアアナリスト 保田昌彦氏】〈ショッピングレンズの利用状況は?〉/利用者2.5万人超、転換率は1.4倍
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