【ドリームネッツ 井上一成社長】 EC事業者へ「ポイントメンバーズ」提供開始/顧客データベースを生かし販促支援

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 システム開発のドリームネッツ(本社広島県、井上一成社長、(電)084―973―3521)は11月1日、ECやオムニチャネル向けのクラウド型パッケージアプリ・CRMツール「ポイントメンバーズ」の提供を始めた。年商1億円以上のEC事業者をターゲットに30社の導入を目指していく。「顧客データベースを活用することで売り上げに貢献できる」と強調する井上一成社長に、新製品開発の狙いや施策について聞いた。


 ---「ポイントメンバーズ」を開発した狙いは。
 11月1日から開始した「ポイントメンバーズ」は、顧客データベースを活用した掘り起こしツールだ。13年7月から、オリジナルアプリが開発できるツール「アプスタ」を提供しており、お店の販促、集客ツールとして単独店舗から多店舗まで現在700社に導入した。
 スマホでの買い物が当たり前になり、アプリを通じた販促ツールのニーズの高さを感じ、「ポイントメンバーズ」を開発した。会員登録が必要な会員制アプリとしてのニーズに応える形で開発した。実店舗やECサイトのポイント統合など多様な販売チャネルを横断したシームレスなポイントシステムと顧客管理システムを構築することができ、中小企業でも手軽にオムニチャネルの販売戦略を実現することが可能になった。
 ---「店舗」「EC」「店舗×EC」の3パターンを用意する。
 「店舗エディション」は、店舗に来店するたびにポイントを付与するほか、会員証としても活用することができる。「ECエディション」は、ECサイトへの誘導や集客に活かせる。「店舗×ECエディション」は、オムニチャネル化を図ることができる。会員証としての機能に加え、来店ポイントを付与すれば、ECでもポイントが使えるなど、シームレスに活用できる。
 当社が提供するECサイト構築パッケージ「アブロード」を組み合わせ、既存顧客のデータベースとアプリを融合させることで、より精度の高いオムニチャネルの販促が可能になる。
 ---EC企業はどのような活用が想定できるか。
 例えば、アプリに割引クーポンを配信すれば、アプリの中にすでにECサイトが組み込まれているので、そのままサイトへ誘導することも可能だ。また、サイトを訪問したり、購入することで得たポイントを使うこともできる。キャンペーンや特典をプッシュ型でアプリに配信すれば、わざわざサイトに誘導する必要もない。また、SNSで紹介すればポイントを付与するというアイデアもあるだろう。
 ただECサイトにアクセスしても通常ではポイントを付与することはない。アプリ化することで会員のサイトに対するロイヤルティーが高まるだろう。
 ---具体的な先行事例はあるか。
 ネイル商材のBtoBサイトを運営する企業が使っている。キャンペーンを告知する際に、従来はメルマガを配信していた。ただ、効果が年々低下していることもあり、代替のツールとして当社のサービスに切り替えた。導入前と比べて月間平均売上高が30%増加している。アプリを使うことで接点を増やすことに成功し、転換率をアップさせた。
 新規顧客開拓はコストをかけても十分な成果が得られないことも多い。既存顧客のデータベースという経営資産を十分に活用し、掘り起こしを進めることでEC企業の成長を支援していきたい。


ライフティ/高額品ECに分割決済を提案/完全ペーパレスが強み
 決済支援サービスを提供するライフティ(本社東京都、馬場智社長、(電)03―6732―1450)は、ウェブ完結型の後払い(分割払い・ショッピングクレジット)サービスの提案を強化している。来春には、EC支援企業との提携も予定しており、導入先の拡大スピードを加速させる。
 サービス名は「WEぶんかつ」。ネット通販やエステサロン、水宅配などの定期購入などを中心に着実に導入実績を増やしているという。土日も営業しており、与信のスピードが早いことも強みだ。
 従来のような紙ベースの申し込み書面は必要なく、タブレットを利用して申し込みを行う。
 専用の申し込みフォームに必要事項を入力する形で業務フローを電子化した。
 これまで書類などで取り交わしていた契約業務をペーパーレス化することで、業務の効率化が図れるだけでなく、セキュリティー面の向上も実現していく。
 ユーザーがウェブで申し込み情報を入力するとライフティに申し込み通知が送られる。与信確認が取れた後、ライフティがユーザーに電話確認を行う。
 口座振替手続きについても紙は使わず、銀行の届出印も不要。決済金額の上限も比較的大きいため、高額商品の販売機会を拡大できそうだ。
 商品購入者から手数料を徴収するビジネスモデルであり、「購入者への手数料は業界水準と同等に設定にしている」(同社)と話している。
 現在、毎月ハイペースで新たな加盟店が増えている。今後は、ブランド品や楽器などの高額な趣味用品を販売するネット通販企業をターゲットに、需要の掘り起こしを進める。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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