産直ECプラットフォーム「ポケットマルシェ(ポケマル)」を提供する雨風太陽は、24年12月期の売上高が前期比6.2%増の10億1600万円となり、5期連続で過去最高を更新した。生鮮品やコメの価格高騰で会員数が増加し、定期便の利用拡大を追い風にしている。24年12月に代表取締役副社長に就任した権藤裕樹氏に、業績好調の背景やEC事業の今期の事業計画について聞いた。
─24年12月期の業績要因を聞かせてください。
会社全体としては思うようにいかなかった印象ですが、「ポケマル」は想定した範囲内の結果でした。EC業界が成長したコロナ禍の反動も考えれば、1年間で会員が10万人増えて、現在82万人のお客さまが利用し、売上高が前期比11%増だったことは良かったと思います。
当社には生産者が8500軒いて、ロングテールの商品など幅広く商品を取り扱うECを強みに、ウェブ検索や広告回り施策に力を注いできました。ウェブサイトでは検索しやすくするなど利便性を高めました。ECについては伸びしろがまだまだあると考えています。生鮮品を探している人が多く、まだポテンシャルがあると思います。
一度利用いただいた会員のリピート購入が積み上がっているほか、24年4月には、出品する生産者の販売手数料を20%から23%に引き上げたため、純粋に流通額が増えたわけではありません。そのため、純増として見るとそれほど大きくはありません。
当社の利用者属性は30~50代の2人以上の世帯で、多くが都市圏に住んでいます。週末のハレの日需要もあれば、日常的に利用をいただくなどシーンは幅広いです。
─市場を取り切れていないのはどのような理由があるのですか。
オンラインで生鮮品を産直で購入したいという消費者のニーズはまだまだあると思います。こうしたニーズにリーチできていないと考えています。
利用いただいた人のリピート購入には手ごたえがあるので、まずは一度使ってもらえるような接点をどのように作り出していけるのかが課題と考えます。
─「令和のコメ騒動」など業界にとっては追い風です。
世間でコメが手に入らないといった時に、当社のECサイトでは引き続き販売していました。24年8月15日~9月4日のコメ・穀類の定期商品の新規購入者数は前年比で約10倍に増え、9月発送のコメ・穀類の定期商品の販売数は前月比22%増でした。
(続きは、「日本ネット経済新聞」3月13日号で)
【雨風太陽 代表取締役副社長 権藤裕樹氏】 <産直ECプラットフォーム「ポケットマルシェ」を展開> リピート購入が堅調、5期連続の過去最高売上を更新(2025年3月13日号)
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